昨年9月、30年ぶりの同窓会に出席したときの話です。
お約束の各自、近況報告が始まりました。自分の順番がきて
「え~、1昨年コンサルとして独立しましてBCPの策定支援を中心に
{リスク}に関するコンサルタントをやってます」周りの反応はといえば
頭の上に???…?という感じでした。
ちなみにですが、「BCP」を知っている人は二十数人中たったの2人でした。
と、いうわけでBCPを知らない人のために、まずは「BCPとは」というところから。
BCP:Business Continuity Plan (事業継続計画)
企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
緊急事態は突然発生します。有効な手を打つことがきでなければ、特に中小企業は、経営基盤の脆弱なため、廃業に追い込まれるおそれがあります。また、事業を縮小し従業員を解雇しなければならない状況も考えられます†2。
緊急時に倒産や事業縮小を余儀なくされないためには、平常時からBCPを周到に準備しておき、緊急時に事業の継続・早期復旧を図ることが重要となります†3。こうした企業は、顧客の信用を維持し、市場関係者から高い評価を受けることとなり、株主にとって企業価値の維持・向上につながるのです。 (中小企業庁 BCP策定運用指針より)
言葉であれこれ言うよりも上の図を見たほうがわかりやすいかもしれませんね。
付け加えれば、新規取引先の取引の条件の中にBCP策定が含まれる企業も少なくありません。
今や大手企業にかかわらずBCPの策定が必須になってきています。
☆BCPのメリット、デメリット
BCPの策定においてメリットばかりではありません。もちろんデメリットもあります。
まずは、メリットについて少しお話しさせていただきます。
一番のメリットは、災害やアクシデントが起きた時会社としての対応が素早くできる事。
アクシデントが起きてからでは対応が遅れてしまって信用を無くしてしまったり、企業イメージの悪化につながり倒産にまで追い込まれてしまうケースも少なくありません。
二番目として、企業のかかえる「リスク」に対して経営層や従業員が敏感になるので、
「リスク」に強い企業づくりが可能になるということです。
このことは、私がコンサルをするうえで、最も重要と考えていることでもあります。
三番目としては、企業価値や企業イメージの向上、またステークホルダーの信用度upにつながります。
メリットとしてはこんな感じでしょうか。
では、逆にデメリットはどんなものがあるでしょうか。
一番はコストの問題でしょうか?
災害時に必要な備蓄品、自家発電機、衛星電話、耐震補強工事など、すべてかなりの額の投資をしなければなりません。
これらは、利益には直結しないのです。
二番目として、BCPの策定には時間と労力が必要であるということ。
策定するとなれば、通常業務の合間に話し合いや打ち合わせの時間を設けなければいけません。重要な人員がそろう時間は限られています。
このようなデメリットも踏まえたうえで、わが社としてはどうするのか考える必要があるのです。
メリット、デメリットについてはこんなところでしょうか。
☆BCPとコンティンジェンシープランの違い
どの企業さんでも、長中期経営計画を立てられていると思いますが、定期的に見直すのが、
ローリングプラン、不測の事態が生じた時、対処するのがコンティンジェンシープランですよね。
「コンティンジェンシープランとBCP」よく似ていると思いませんか?
似てはいますが、全くの別物です。では何が違うのか。
・コンティンジェンシープラン・・・不測の事態が起きた時にどうやって被害を抑えるか。
一方BCPの方は、前述のようにいかにして事業を継続させ、早期に復旧させるか。が観点になります。
それぞれの目的や観点が全くちがうことがおわかりいただけると思います。
よく、コンティンジェンシープランがあるから、BCPはなくてもいい。みたいな
話も聞かれますが先ほども言った通り全くの別物なのです。結構勘違いをされてる方も
多いようです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回、東日本大震災、熊本地震の際BCP策定済企業とそうでなかった企業の影響の
違いを検証してみたいと思います。