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ウォーキングインストラクター鷹松香奈子さんからのメッセージ

姿勢や歩き方の矯正で表情や声も変わる
全体の雰囲気が上がり、自信が自然に溢れ出す

25年以上歩き方を指導している大ベテランの鷹松香奈子さんから姿勢、歩き方、立ち居振る舞いについてお話を伺いました。(聞き手:石川慶子 20165月)

足の裏を含めて全身の使い方を身につける

石川:初めて鷹松さんのレッスンを受けた時は衝撃的でした。全身を使って歩いていないことがよくわかったからです。娘がひどい内股でしたので矯正しようと思って参加したのですが、自分の方が夢中になっていました。あんなに真剣に歩いたのは生まれて初めてでした。「こんなに足の裏をしっかり使うのか」「肩甲骨を使うと気持ちいい」「歩くのって奥が深い」「顔に風を感じて心地よい」などいろいろな想いがこみ上げてきたものです。最初は姿勢のチェックからでしたね。
鷹松:全身を使う前に、まずは自分の体の癖を理解します。その上で何を直したらいいのかを自覚すると目標ができるので、そこに意識を集中させることができます。そして全身の使い方を少しずつ教えていきます。

石川:靴を脱いで足の裏を使って歩くことを教えていただきましたが、とても新鮮でした。
鷹松:足の裏全体を使うことで床に全身を乗せる、体重を感じる、脚を伸ばし体重を移動させる、ひねることで肩甲骨を使う、といった訓練で体の癖を直し、身体全体の動かし方を身につけます。

石川:娘はダンスをしているので、身体の勘はよくて舞台ではきちんと歩けるのに、内股でちょこちょこ歩くへんな癖があって靴の先の内側がすぐに穴が開いてしまうという悩みがありました。あれ以来、かかとをつけることを意識するようになり、おかげで靴に穴が開かなくなりました(笑)。とても感謝しています。
鷹松:最近の若い子は結構内股が多いのです。立っている姿ですぐにわかります。内股だと・・・・になって・・・・・ということになってしまいますから、できるだけ早く矯正した方がよいです。バレエやダンスしている方もレッスンに来ますよ。ダンスしている方は、・・・・・・・・・・・・・。私の目標は普段の生活の中で身につくようにすることです。起きてから夜寝るまでずっと人は歩いていますよね。その日常生活の中で・・・・・・

石川:そう、そこです。鷹松さんの指導で素晴らしいのは、日常生活の中でできることをいろいろ教えてくださること。確実に身につきます。アドバイスも的確で納得感があります。

姿勢と動きが全体の雰囲気を決める

石川:自分が歩いている姿を動画撮影してもらった時はショックでしたね。自分ではうまく歩いているつもりだったのに、動画での自分の姿はだらだらした歩き方をしていました。ああ、鏡の姿と動画の姿って違うんだな、と。考えてみると、鏡は自分でもいいところしか見ない、見たいところだけ見る、つまり自分の意識が強く作用する。一方、動画はそのまま全て映し出してしまう。そんな違いがあるのでしょう。動画は本当に恐ろしいです(苦笑)。
鷹松:動きが与える印象は大きいでしょう。いくら素敵な服を着ていても姿勢が悪かったり、仕草が堂々としていないと全体の印象が貧相になるのです。
石川:メディアトレーニングでカメラレビューすると全体が与える印象の違いがよく出てきます。1回のトレーニングでは雰囲気まで変えるところにまで持っていくのが難しく表情やしぐさまでしか今は出来ていません。姿勢が変わるとぐっとよくなるでしょうね。
鷹松:人によってカラダを動かす感が違うし、変わり方のペースが違うのですが、姿勢が良くなり、歩き方が良くなる。そうすると表情も声もよくなる。全体の雰囲気が上がります。
石川:確かに私は自分がでっちりだと自覚することで座り方や立ち方が変わり、腹筋を使えるようになりました。体重移動やひねりを使うことも意識しているので、次第にしぐさも優雅になっていくのを感じます。

歩き方の癖は放置しているとどうなる?

石川:どんな癖があるものなのでしょうか。男女や年齢によっても違いますよね。
(鷹松)両肩、両足のバランスが崩れてしまっている人が多いです。右肩ばかりで鞄を持っている人は両肩のバランスが崩れています。男性はスポーツしているとO脚になりがちです。年を取ると腹筋が弱くなるのでお腹が緩んで顎が出てしまいます。太ると反り返った癖がつきます。横揺れしている人もいます。体の向きと足の運びがずれているためにまっすぐ歩けない人もいます。ハイヒールが体に合っていないと引きずって歩いてしまいます。靴底の減り方が左右違う方はどちらか引きずっています。
石川:なるほど、実に様々ですね。長年ついた癖を直すことはできるのでしょうか。
鷹松:直ります。一度見せていただければどこを意識すればいいかアドバイスしますので、直し方はわかります。「自覚すること」が一番大切なポイントです。でも自覚というのは一人ではなかなかできません。自分が歩く姿は見えませんから。私はいろいろな癖の歩き方を直してきましたのでそこは自信があります。鞄の持ち方を均等にする、足の組み方を均等にする、など日常的に気をつけると確実に変化します。
石川:バランスの悪い歩き方をしているとどうなるのでしょうか。
鷹松:・・・・・

パンプス履いてかっこよく歩く

石川:ウォーキングというとスポーツでもありますが、スポーツウォーキングとの違いは何でしょう
鷹松:スポーツウォーキングは運動靴を履いて歩きますが、私が教えるのはパンプスを履いて歩きます。バランスよく歩く、健康的に歩くという点は同じですが、美しく歩く、かっこよく歩くことを目的としている点が大きく違う点ですね。また、私のウォーキングでは腕は振りません。自然に揺れるようにします。
(石川)確かに。私は腕がいつも力入ってしまいますが、鷹松さんが歩くと腕は自然に揺れていてスーと風が通り抜けるような感じがします。醸し出される空気が違います。ひとことで言うと「雰囲気がある」ということでしょうか。

どんどん変わって輝きを増す姿が楽しい

石川:鷹松さんは昔パリコレモデルだったそうですが、現役時代からウォーキング講師業というのはめずらしいですよね。モデルになったきっかけを教えてください。
鷹松:モデルになる前は、背が高いのがコンプレックスでした。目立たないように背中丸めてました。実家は調布なのですが、母はモデルをやってみたらと言ってくれました。紹介でモデル事務所に所属することになりましたが、何しろ177センチなので、既製服によるモデルはできないからファッションショーしかなかったということです。ここから人生は一転しました。背中を丸めることもなくなりました。週3回、2時間のレッスンを3年間受けました。最初の仕事は、幸いなことに3ヵ月後にいただきました。ブライダルショーでドレスの紹介。その会場で結婚式をする人たちにドレスを見せる仕事です。バブル時代でしたのでブランド服がよく売れました。デパートが主催するフロアショー等です。シャネルで日本全国回ったこともあります。

石川:背中丸めていたとは信じられないです。今はとてもすらっとして素敵です。いつも後ろ姿にはほれぼれしています。ウォーキング講師歴25年という方はなかなかいらっしゃらないと思いますが、現役モデルをしながらやることになったいきさつを教えていただけますか。
鷹松:事務所のウォーキングインストラクターがいなくなってしまったのです。そこで後輩を教えてくれないかと言われた。当時は講師やれと言われたら、モデル失格という意味だったが、現役をしながらでしたので抵抗感もなく新たなチャレンジと思ってやってみました。教え始めたら、どんどん変わる姿が楽しくなってきてずっと続ける仕事になりました。私の教え方も日々進化しています。

石川:これからの目標を教えてください
鷹松:25年かけて築いてきた方法をメソッドとして確立したいですね。モデルの後輩から指導方法を教えてほしいといった依頼も来ます。自分が死んだ後も引き継がれるように人材を育成していきたい。また、歩くことの重要性は、気づいている人がまだまだ少ないので、もっともっと啓蒙活動をしたいと思っています。歩かない人はいませんから。
石川:今はどのような企業で教えているのですか?
(鷹松)ブライダルやホテル、美容室、デパートのコンシェルジェなど接客業が多いですね。会員サービスのイベントとして実施することもあります。でも、これからは一般企業にも普及していきたいと思っています。昨年は全社員対象に導入してくださったベンチャー企業がありました。営業の人達の立居振舞も格段に良くなるはずですからもっと知っていただきたいです。
石川:私も後姿が危機的状況に陥りつつありましたが、何とか脱却したようです。まだまだ鷹松さんを模範としていきたいと思います。今日はありがとうございました。

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