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  1. 普遍的リスク対策 乙守栄一
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第34回 ストレスとリスクの意外な接点

普遍的リスクマネジメント

乙守 栄一氏

日本人にとってストレスとは諸悪の根源というイメージで捉えられています。ストレスは健康上良くない、ストレスがない方が良いに決まっている、など、このストレスは極力避けるべきものの対象として捉えられています。

これまで思い返すと人はそれぞれ様々なストレスに晒されてきました。高校大学等の入試本番前のストレス、幼い頃初めて予防接種等の注射を打たれる直前のストレス、初めて顧客の前でプレゼンテーションを行なうことになった時のストレス等、いくらでもそのシーンは蘇ってくることと思われます。何故、このようにストレスを感じるのでしょうか?

入試に落ちればどうしよう?注射を打たれて失神でもしたらどうしよう?顧客の前で大きな恥を掻くとどうしよう?何れもその失敗した時、ネガティブなイメージが浮かぶことで緊張してしまうことと紐づいています。
そうです、この失敗した時の結果、これがリスクマネジメントのコントロール対象となる“脅威”と密接に結びついているのです。

人はこのように自ら危険だ、何か良くないことが起きる、とイメージすると防御反応が働きます。この緊張感が自分にしかできない、いわゆるリスクマネジメントなのです。直感ほどよく当たる、などはこのあたりの過去のストレスの経験が活きる、ということなのかもしれません。

人は子供から大人になるにしたがって、成長を経るために様々な試練を通過してきます。その試練を通過するからこそ、少々のストレスにはたじろがずに耐性が備わり、世間の荒波に打って出ることができるというものです。

最近の人は我慢が出来ない、という表現が良く飛び交います。これは得てしてこのような経るべき成長過程を経ていないだけのことです。耐性の整わない人が世の中を席巻しているとどうしても自己中心的な人の渦中に自分自身を置かざるを得ない状況となります。だからこそ、その耐性の整わない、ストレスに弱い集団が当たり前、と捉えないことです。

戦後教育で日本はこのように耐性に弱い教育カリキュラムが構築され、古来受け継がれてきた日本の伝統心は悉く排除されてきました。戦後70年を経てきている現状だからこそ、明確に“ストレスに弱い”国民がここまで構築されてきてしまったのです。

ちょっとした自分の気にくわないことが起きるとすべてハラスメントとして訴える風潮があること自体、この“ストレス”を悪者として置き換えていることに他なりません。

ストレスというこの言葉、どうしてもイメージが悪いこととして捉えられてきていますが、実は語源である英語圏ではこのストレスに良いも悪いもないことが分かってきました。このストレスはなぜ起きえるのでしょう?身体のメカニズムから考えた時、何か事を起こすときのエネルギー源となっているそうです。そのエネルギー源となっているからこそ脈拍が上がり、呼吸も早くなり、いざ事に当たるときの準備を身体自体が整えていることになっているそうです。考えようによってはこのエネルギー源を悪の根源だからといって、すべて蓋をしてしまうこと自体、非常に勿体ないと思われませんか?

ストレスには非常に良い効用があることが分かってきています。サッカー、野球、オリンピック等、スポーツ界においてはゾーンに入るという表現が良く使われますが、これはこのストレス(=エネルギー源)をバネとして利用し、最大限力を発揮できるように工夫された手段にあたります。決してこれはスポーツ界だけに当てはまる原理現象ではなく、ビジネス面、強いては学問の面、あらゆる面に効果を発揮することがデータとして出ているそうです。言い換えるならば、このストレスをうまく活用することで、自分のセルフリスクマネジメントを十二分に機能させられるということに置き換えられないでしょうか。

リスクとは“自分の想定している結果の発生可能性”を指します。日々感じるこのストレス(=日々晒されているリスク)、日本語の響きとしてはネガティブな意味合いでイメージを覆すことは中々できませんが、ストレスマネジメントができることで日常のリスクマネジメントができ、前向きに生きられるようになると、ストレスも悪くないと感じられないでしょうか?

私なりのココから先の展開は持論として持ち合わせておりますが、改めてお伝えする機会が巡ってきましたらお伝えできればと存じます。

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