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第54回ポストコロナを考える

緊急事態宣言が出て早三週間が過ぎ、経済への影響も深刻になってきました。連日連夜、感染者数の報告と外出の自粛要請依頼はメディアを通じて流れ続けています。目に見えない脅威との戦い、世界中で共通の敵との戦いに挑んでいます。世界を通じて、少しでもコロナ対策に功を奏している国は他国への支援を申し出るなど、これまでの利害関係を超えたある種の双方向の助け合いの動きが出てきています。

ただ、日本に目を向けたとき、4月からの新学期休校、三密の環境の可能性が高い業種については休業要請、コロナ患者治療にひっ迫する医療機関など、この見えない敵との戦いへ挑む各々の立場の人たちが、各々の戦いを強いられています。
この共通の敵が世界協調の輪(和)、日本経調の輪(和)を生み出していることに違いありません。

コロナの長期化する見通しから、学校の新学期を9月に延期してはどうか?という話も再燃してきました。平常時においては無理に変える必要はない、一時東京大学が議題に挙げていた9月開学の件もいつの間にか消えていました。これが今、形目的を変えて再び浮上してきたわけです。必然性に迫られるとき、人の動きはそこに同調する可能性、エネルギーを大きく秘めていることに他なりません。

仕事のスタイルも大きく変わることでしょう。申請書にハンコを押すためだけに出社する仕事に対して、命とハンコとどちらが大事?となった途端、それまでの仕事スタイルが大きく見直された人も多いのではないでしょうか。在宅勤務を強制された結果、テレビ会議でのコミュニケーション手段に否応がなしに従わざるを得ない状況は、これまで叫ばれていた働き方改革を大きく前進させる結果となっていくこととでしょう。

日本人の多くは平常時に変化を与えられることを特に苦手とするケースが多いと考えられます。前例踏襲主義、問題なく/滞りなく何年もの間行なってきた実績があるから、それが正しいという“慣例”に従っていれば何も“考えなくてもよい”という単純無思考回路に陥っていることがよくあります。典型的なお役所的思考の原点はここに立ち返ります。

オンコロナのこの時期、大きなパラダイム変化をもたらします。人手不足と言いながらこれまで海外人材までをも必要としていましたが、この経済停滞で人手不足は逆に人出余剰を生み出します。業務の見直しも大きく進むでしょう。AIで行なうことのできる業務はこれを機に導入が進むでしょう。当面、内需回帰に舵を切ることでしょう。

今後、世界経済の主体はミレニアル世代が中心となります。ミレニアル世代は価値観として、モノを所有するのではなくシェアし合うことに重きを置いています。まさにシェアリングエコノミーが主流をなす時代の到来です。

このシェアリングエコノミーが時代を牽引する場合、まさにこれまでのやり方が通用しなくなります。その結果、プレコロナ時代のやり方に拘っていることで、ポストコロナ時代においては全く適用できず、淘汰されてしまうことに他なりません。
いずれ、コロナも落ち着くことでしょう。落ち着いたその時、日本国民の行動がどのように変容しているか(変容せざるを得ないか)、今まさにポストコロナに目を向けた動きを加速させないといけない時期です。そうでなければ、ますます世界からも後塵を拝してしまいます。

人はそれぞれの立場があるため、それぞれの言い分をぶつけ合うことでしょう。“国が何もしてくれないから”、“会社が我々に保証してくれないから”、“**が**してくれないから”という発言はきっちりしたリスク対策を行なえていないことの裏返しです。資本主義、民主主義の日本でありながら、他責に満ち溢れた“してくれないから”発言者は、必ずやポストコロナの求める時代に付いていくことができないでしょう。

リスクが顕在化してきている今、一人ひとりが行動を起こす時です。ただ、他の災害リスクと比べて違うことは、ほぼ全国民が共通して、長期間の忍耐を要することになるという点です。一人ひとりがそれぞれの立場で苦しい想いをしていることに違いありません。そういう状況の中で、他責は前向きな行動を大きく阻害することに直結します。

どうすればポストコロナを夢溢れる時代にできるか、主体的に物事を考え、行動できる人が増えるトリガーになると考えますが、皆様はいかがでしょうか。

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