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  1. 産業法務の視点から 平川博
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第68回 コロナ対策の衛生用品

1.マスク
(1)効果
本年5月4日に政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議により提言された「新しい生活様式」の主眼は、「密閉」「密集」「密接」(いわゆる3蜜)を排除することですが、「(1)一人ひとりの基本的感染対策」の項では、「感染防止の3つの基本」として「①身体的距離の確保」「②マスクの着用」「③手洗い」が掲げられています。そしてマスク着用に関しては、「外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用」と記載されています。

ところが、ジャーナリストでドクメンタリー作家の岩澤倫彦が執筆した「驚愕の結果…アベノマスク、中華マスク、お洒落マスクの効果を測定してみた」(President Online[2020/05/26 11:00配信])と題する記事によれば、マスクの種類によって効果が異なるとのことで、以下のように記載されています。**************************************************************************************************■マスクは2つの条件がそろわないと、本来の機能を果たせず
『マスクの品格』(幻冬舎)の著者である、聖路加国際大学・大西一成准教授。マスクに関する知識に誤解が多いことから、啓発活動をしている。
「マスクは2つの条件がそろわないと、本来の機能を果たすことができません。それは『ウイルスを通さないフィルターの性能』と『顔のフィット』です」…(中略)…
実際に装着した状態の効果は、マスクの外側と内側の粒子数を測定した「漏れ率」として評価する大西准教授によると、一般の人がどんなにフィルターの性能が高いマスクを付けても「漏れ率:100%」になることが多い。原因は顔にフィットさせていないからだ。

■マスク種類別の性能差とは
大西准教授に、マスクの種類別「漏れ率」を測定してもらうことにした。
まず、アベノマスク(ガーゼ)を、一般的な装着法で測定してみると、「100%」という値がでた。そこで、マスクの周囲を押さえて測定すると「89.58%」。少しだけ改善した。
ベトナム製の特殊な形状をした、アベノマスクでは、一般的な装着法でもマスク周囲を押さえても「100%」だった。フィルター効果はゼロに等しい。
ファッショナブルなウレタンマスクは、元々顔にぴったりフィットするデザインだが、漏れ率「100%」。これも、フィルター効果はほぼ期待できない(※製品によって、漏れ率は異なる可能性がある)。
使い捨ての不織布マスクは、PFEという遮断率試験を通った日本メーカーの製品で測定したところ、一般的な装着で「100%」、隙間がないようにつけ方を工夫すると 「51.58%」の値が出た。
ただし同じ不織布マスクでも、中国ブランドで50枚入り約2000円の製品は、隙間に注意して装着しても「81.40%」にとどまる結果となった。
外見は同じように見えても、不織布の性能差が大きいことが分かる。
飛沫感染や空気感染のリスクが高い医療現場などで使用されるのは、高規格の防じんマスクだ。大西准教授の顔にフィットした製品で測定すると——。漏れ率は「0.89%」だった。**************************************************************************************************(https://president.jp/articles/-/35615)

(2)正しい使い方
「NHK健康チャンネル」というサイトの「マスクの疑問あれこれ解決!正しいマスクの使い方」(2020年3月25日更新)と題する記事では、「ためしてガッテン」という番組の実験に基づく「効果を最大限に発揮させる正しい方法」について、以下のように記載されています。**************************************************************************************************■つけ方を間違えたら予防効果はゼロ!
高性能のマスクをしていれば安心!というわけではありません。
番組では、自衛隊などで使う防護マスクの性能試験をする部屋をお借りして実験を行いました。食塩水に空気を吹き込んで作成した、ウイルスとほぼ同じ0.1マイクロメートルの粒子を用意。チューブでマスクの中の空気を吸い出したときにマスク内にどのくらい塩の粒が入りこんだかを測定しました。
高性能を表示しているマスクと高性能の表示がないマスクでどのくらい差があるのでしょうか?
まず、「ウイルス・花粉・ほこり99%カット」の表示がある高性能のマスクと「花粉・ほこりをシャットアウト」とのみ表示された、65枚入り400円で購入したお買い得マスクを比べてみました。
実験の結果、カット率は…
なんと!!どちらも0%という驚きの結果になりました。高性能であろうがなかろうが、これではマスクの予防効果は全く期待できません。

実は、マスクの効果を最大限に発揮させるポイントは装着方法にあります。マスクはただ口と鼻を覆えば良いのではなく、顔にぴったりとすき間なく装着しないと効果を発揮しないんです。
マスクをつけるときは、「鼻」「ほほ」「あご」にすき間ができないように、しっかりフィットさせることがポイントです。
マスクを『つける前』に、鼻の形に合わせて山折り・谷折りすることで、すき間をなくすことができます。また、あごを覆うことも大切。ただし、あごを覆うためにマスクを広げすぎると、ほほにすき間ができやすくなるので注意が必要です。
これらの「すき間ポイント」をチェックして、もう一度同じマスクで実験したところ、高性能の表示がないマスクでもカット率が97.25%となりました!
自分の顔の大きさに合わない、大きすぎるマスクはすき間ができやすくなりますので、自分に合ったサイズのマスクを選ぶことも大切です。**************************************************************************************************(https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1167.html)

2.石鹸
(1)効果
ノンフィクション作家の山根一眞氏が執筆した「コロナにも? 自然素材石けんは合成洗剤の『1000倍のウイルス破壊力』」(副題「天然由来成分に驚きの効果を発見」)【現代ビジネス(講談社)[2020.05.01配信]】と題する記事では、以下のように記載されています。**************************************************************************************************新型コロナウイルス感染症から命を守る予防策として「石けん」による手洗いが推奨されているが、「石けんのウイルス破壊」には未解明の謎があった。
そこで、長年にわたりウイルス不活性化の解明に取り組んできたのが、広島大学大学院、北九州市立大学、シャボン玉石けん(北九州市)の研究者チームだ。そして2019年、大きな研究成果が発表された。
石けんの「洗浄力」は主成分の界面活性剤によるが、インフルエンザウイルスによる実験で、ハンドソープ製品の大半の主成分である合成系界面活性剤と比べ、自然素材無添加石けんの界面活性剤のインフルエンザウイルス破壊能力が、100〜1000倍も大きいことが明らかになった。…(中略)…

■界面活性剤が「効く」わかりやすい理由
石けんも洗剤も主成分は界面活性剤だ。これは水では落ちない脂汚れを除去する働きを持つ。
一方、インフルエンザウイルスもコロナウイルスも粒子の表面(エンベロープ=外殻)は、脂質二重膜で覆われている。つまり、これらのウイルスは1ミリの1万分の1という極微小の「脂くるみの玉」なのだ。
洗剤の界面活性剤は布に染み込んだ脂汚れを引き剥がすが、ウイルスの外殻も脂なので同じようにその脂を引き剥がす。これが、ウイルスがお陀仏となる理屈だ。…(中略)…

■壊し方がダントツに大きい
広島大学大学院医系科学研究科(ウイルス学)教授、坂口剛正さん、北九州市立大学国際環境工学部教授の秋葉勇さん、そしてシャボン玉石けん研究開発部長の川原貴佳さんを中心とするチームは、自然素材無添加石けんの界面活性剤の抗ウイルス作用が、広く販売されている合成系ハンドソープの界面活性剤と(比べ100〜1000倍も大きいことを明らかにした。**************************************************************************************************(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72151)

(2)手洗いの正しい方法自治医科大学付属さいたま医療センターHPの「正しい手洗いの方法」と題するウェブページでは、以下のように図示されています。
(https://www.jichi.ac.jp/center/sinryoka/kansen/taisaku_01.html)

3.消毒液
サイエンスライターの今井明子氏が獨協医科大学医学部公衆衛生学講座の小橋元教授に会見して執筆した「その消毒液、何用ですか?新型コロナ対策で知っておきたい、正しい『消毒』の作法」(BUISINESS INSIDER[May. 13, 2020, 12:00 PM配信])と題する記事では、以下のように記載されています。

**************************************************************************************************

■消毒とは、ウイルスの膜を壊して機能を失わせること
感染症を引き起こす原因はウイルスや細菌。ただし、この2つは全く異なる存在だ。細菌は細胞をもつ生き物であり、栄養があれば自然に細胞分裂をして増殖していく。これらの細菌を殺すために使われるのが抗生物質や抗菌剤だ。一方で、ウイルスは細胞を持たない。ウイルスが増殖するには、人や動物などの細胞(宿主)が不可欠である。
ウイルスは細胞に侵入し、細胞の機能を利用して増殖する。感染した細胞が死滅した際などに、増殖したウイルスが細胞の外に放出され、ほかの細胞に入り込み、そこで再び増殖することをくりかえす。ウイルスは細菌ではないので、抗生物質や抗菌剤は効かない。
新型コロナウイルスは、遺伝情報をもつRNAが「カプシド」と呼ばれるたんぱく質の「殻」と、その外側にある「エンベロープ」と呼ばれる脂質性の膜に囲まれた構造をもっている。
「消毒」とは、ウイルスのこのような構造を破壊することをいう。

■「アルコール」での手指消毒は全体によくなじませて
消毒液として最も一般的なものは、アルコールだろう。アルコールには何種類かあるが、消毒に使うのはエタノール(エチルアルコール)だ。…(中略)…

消毒用のエタノールの濃度は70〜80%が最適だ。北里大学大村智記念研究所の片山和彦教授らの研究で、エタノールは50%以上の濃度であれば1分間程度で新型コロナウイルスの感染性を失わせる(不活性化させる)ことが可能という研究結果が発表された。濃度が100%に近づきすぎたり、65%以下になったりすると効果は薄くなる。

「エタノールにはウイルスを不活化させるまで液体の状態でその場にとどまってもらいたいのですが、濃度が100%だとすぐに気化してしまい、消毒効果が弱まるのです。手指の消毒に70~80%のエタノールを使う際にもよく全体になじませて使うことが大切で、水でぬれたままの手に使わないことも大切です(部分的に濃度が下がり効果が薄くなる)」(小橋教授) …(中略)…

■「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」の混同に注意
新型コロナウイルスへの殺菌効果が期待でき、人体にも影響が少ない次亜塩素酸水が最近注目されている。これは「食塩や塩酸を水に溶かして電気分解したもの」だ。家具や寝具、衣服などの消毒をしたいときに、この次亜塩素酸水を薄めてスプレーとして使えば良いとされている。
一方、いわゆる塩素系漂白剤に使われている次亜塩素酸ナトリウムも、新型コロナウイルスの消毒に効果があると考えられている。次亜塩素散水と名前が似ているので、注意が必要だ。次亜塩素酸ナトリウムは、薄めてドアノブや机の上など手で触れる場所を拭くときに使うのがよいとされている。使用する際に推奨される濃度は0.05%。…(中略)…
ただし、拭き掃除に使える素材は限られる。金属は錆びたり、布地は傷んだり、車のハンドルなど合成樹脂部分は変色したりすることもあるので注意してほしい。
濃度の高い原液は皮膚や粘膜への刺激が強く、目に入って失明したり、のどや鼻から入るとただれたり、嘔吐したりする可能性もある。当然、間違っても手洗いに使ってはいけない。部屋用の除菌スプレーとして使ったり、加湿器の水に混ぜたりして部屋中に噴霧するのも危険だ。**************************************************************************************************(https://www.businessinsider.jp/post-212681)

4.うがい薬
(1)基礎知識
新型コロナウイルス対策用のうがい薬は、本稿投稿時点(2020年8月1日)では未だ存在しませんが、うがい薬はマスクや石鹸、消毒液と並んで、衛生用品として普及しています。慶應義塾大学病院HPの「お薬について」というカテ中、「うがい薬」と題するウェブページでは、以下のように記載されています。**************************************************************************************************うがい薬は、扁桃炎などのどの炎症や、口内炎、抜歯あとの傷などの口の中の炎症を鎮めたり感染予防、消毒に使われます。

■うがいの効果
・のどや口腔内の炎症
・抜歯創を含む口腔創傷の感染予防や消毒
・かぜ等の感染の予防

■うがい薬のうすめ方
薄めすぎたり濃すぎたりしないように正しく薄めましょう。…(中略)…

■うがいの方法
1.水やうがい薬をかるく口に含みます。
2.鼻から息を静かにすいます。
3.息を止めて、頭を静かにうしろにそらします。
4.飲まないように気をつけて、大きく口を開けます
5.胸を広げ、肩をうしろにそらします。
6.声を出して「あ」の発音を5秒程度します。
7.静かに吐き出します。
1~7の動作を2~3回繰り返して上手にうがいしてください。医師の指示がない場合は、1日3~4回うがいをして下さい(帰宅したとき、飲食後、のどに不快感があるときなど)
**************************************************************************************************(http://www.hosp.keio.ac.jp/annai/raiin/kusuri/kusuri_06.html)

(2)選び方
mybest(口臭予防・マウスウォッシュおすすめ情報サービス)というサイトの「うがい薬のおすすめ人気ランキング9選【帰宅後の習慣に!】」と題するウェブページでは、以下のように記載されています。**************************************************************************************************うがい薬の選び方
まずは、うがい薬の選び方のポイントをご紹介したいと思います。うがい薬にはたくさんの種類がありますが、いくつかのポイントを押さえることで、よりあなたにピッタリのものを選ぶことができるでしょう。…(中略)…

■症状・目的に合ったものを選ぶ
うがい薬を選ぶ際に最も重要なのは、「症状・目的に合ったもの」を選ぶこと。市販のうがい薬は、配合されている成分によって、主に「殺菌タイプ」、「抗炎症タイプ」、「殺菌+抗炎症タイプ」の3つに分けられます。

細菌風邪・ウイルス対策には殺菌タイプの「ポビドンヨード」
イソジン」で有名なポビドンヨードは、赤褐色の液体で殺菌・消毒効果があり、細菌・ウイルスの殺菌や消毒に使用します。口臭を除去する効果もある成分です。しかし、ヨード独特のニオイが苦手な方も。
ポビドンヨードは妊娠中は使用することができません。ヨードには胎盤を通過する性質があり、うがいによって長期間体内に入り続けると、胎児が先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)を発症する可能性があるためです。また、甲状腺疾患がある方は、ポビドンヨードを使用する前に、必ずかかりつけの医師に相談しましょう。ヨードにアレルギーがある方は、使用を避けてください。

のどの腫れ・痛みには抗炎症タイプの「アズレンスルホン酸ナトリウム」
抗炎症作用のあるアズレンスルホン酸ナトリウムは、消炎・鎮痛作用があり、のどや口腔内の腫れを鎮め傷ついた粘膜を修復します。胃薬やトローチの成分として配合されていることも。殺菌作用はあまりないため、予防を目的とはしておらず、既に炎症が起こっている場合に使用します。

殺菌も抗炎症もおまかせ!「塩化セチルピリジニウム(CPC)」
塩化セチルピリジニウム(CPC)の高い殺菌効果によって、間接的にのどの炎症を抑え、痛みを緩和する作用があります。抗炎症成分グリチルリチン酸も一緒に配合し、さらに効果を高めているうがい薬も。口の中の殺菌を目的として、歯磨き粉やトローチに配合されることも多い成分です。
CPCが配合されたうがい薬は、無色透明でクセのない味付きのものが多いという特徴があります。

■使いやすいものを選ぶ
うがいを習慣にするには、使いやすさも大切なポイント。ポンプ式、特にワンプッシュ式なら、1押しで1回分の使用量が出るため、計量の必要がなく簡単です。
他に、うすめずにそのまま使えるタイプや、付属の専用コップで簡単に希釈できるもの、携帯できるミニサイズなども。使う方や生活パターンに合った、使いやすいものを選びましょう。**************************************************************************************************(https://my-best.com/1723)

5.結語
新型コロナウイルス対策用の衛生用品として、マスクと石鹸と消毒液とうがい薬を適切に併用すればそれなりの効果が期待できるので、産官学が連携して適正使用に関する啓蒙活動を行うこと、また安全性と品質が保証された製品の安定供給を図ることが望まれます。

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