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  1. 普遍的リスク対策 乙守栄一
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第97回 不透明、不確実な時代へのリスク対策

ある方が海外の出張から日本に戻ってきたときの感想として、以下のコメントがありました。

- 海外では何か目に見えない活気を如実に感じる。しかし、日本に戻ってくると沈滞ムードが空気感として漂っている。明らかに差を感じる。

何故、このような空気感として差が出てしまうのでしょうか。前例・慣例主義、計画傾倒主義、そして藁ですら掴んでいたい人とひととがもたれ合うような寄り掛かり前提の組織では、動きの機敏さ・流れが感じられない澱みの状態となっていると言っても過言ではないでしょう。

挑戦しないことの言い訳やゴマ擦りほど出世、それは個々人の本心でしょうか?どこか心の奥の本音としては多少なりとも誤魔化しがあるのではないでしょうか。不透明、不確実な時代だからこそ、本心とは別に見える安全パイで仕事をしていたい、庇護のもとで安穏と過ごしたい、そういう生物本来の本能に導かれるままの指向性になってしまっている感が否めません。

ある広告代理店、各クライアントの課題の大元の要因は何か?という調査データが得られたと聞きました。答えは“人間関係”だそうです。人は本能として自分より弱いものを見つけると安心するという心理状態があるようです。これはある人からある人への責め、さらに非難、いじめ、ハラスメント、誹謗、ネット中傷等々、負の連鎖が連鎖を産み、日本の沈滞ムードのベースになってしまっています。世の中の動きとしても、著名人がちょっとした失態をマスコミも挙って取り上げ、徹底的に世間を煽り、その人そのものを徹底的に潰し込んでしまうような時代です。恐るべき集団リンチ状態です。

この原因の大元は、調子に乗ってしまったバブル期の日本人の心理状態が、世界的にみた強国により30年以上も前にペシャンコにされてしまった、それに尽きるでしょう。複雑な要因が絡んでいるため、その紐解きは一つひとつ行ないませんが、このペシャンコ状態の吐き先が外に向けられないため、内側に向かざるを得ない、それが日本の今の閉塞感の温床になっています。そのような中、日本は発展途上国向けに優位性を誇示し、オフショア開発や海外工場進出といって、コスト低減に向けた動きだけを追求し続けた結果、肝心な技術の核心まで抜かれ、その技術情報流出を防御することすら頭が廻りませんでした。その結果、国際的地位があまねく没落し、対外的な法的整備もないまま、日本の土地は海外に虫食い状態で買われてしまっている顛末です。

このような閉塞感からの脱却に方策はあるのでしょうか?それは一人ひとりの夢、志が何だったのかの振り返りと、それらの背景となっている使命に気付く、それに尽きます。自分自身の抱く夢、志に基づく行動は活気を産み出します。何故なら、それは本心から取り組む原動力になるからです。原動力、それ即ち活気を産み出し、活きることを愉しむ世界観を呼び起こします。

ある社会学者は言います、「游び心が大事」だと。游という漢字には「さんずいへん」があります。位置を定めず水上を動き回る、ぶらぶらする、およぐといった意味合いが含まれています。これを上記方策に当てはめるならば、興味の向くまま、流れのなすままの状態を愉しみながら活動するとでも云えるかと考えます。

今後は組織に隷属する時代ではなく、個の時代が来ると言われます。もちろん歴史上の変遷はありますが、今の時期としては個の時代へベクトルは向いてきています。ノマドの文化到来とでも言いますか、本当の意味での自由を謳歌する時代の到来です。コロナ渦で突如やってきたリモートワークは、このノマド文化を一層加速・後押しする要因ともなっています。

3,4年前ならば考えられなかったオンライン会議での打ち合わせの数々、どれほど生産性を上げていることでしょう。

おそらく現状の変化を受け入れたくない派閥は徹底的に抵抗してくることでしょう。変化を愉しむ、游の境地を本心から受け入れるなら、そこから新たな境地に出向くことへの壁は高くはないはずです。「令和維新」のご時世、当然のことながら時代の変化を受け入れざるを得ない時代はやってきます。ご自身の興味の変遷、游の心境を探ってみて、次なる愉しい時代への備え、夢と志を持って生きていきませんか?きっと、あなたの進むべき方向に光を照らしてくれることでしょう。

株式会社シー・クレド
代表取締役 乙守 栄一

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