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第19回 災害対策の自治体の役割

BCPにまつわる話

千葉賢治氏

先日の台風15号によって、首都圏の広範囲に被害が及んだことはまだ、記憶に新しいと思います。
新聞やテレビで連日、報道されていますが、特に千葉県においては断水、停電、農作物の被害が深刻化してしまいました。
報道でもありましたが、自治体や国の見通しの甘さや、対応の遅れがこれほどまで大きな被害をもたらしてしまったことは否めません。

今回は、災害時の自治体の役割について、もう一度認識していただくため確認していきたいと思います。
是非、覚えておいていただきたい言葉があります。
これは、内閣府から発表されている「市町村における防災対策について」というなかからの一文です。

「市町村長は災害対応の第一線の責任者」
災害時、陣頭指揮をとらなければいけないのは自治体であるということ。と理解しました。
皆さんの住んでいる自治体ではいかがでしょうか?
防災訓練や防災に対する説明会などは行われているでしょうか?
災害時、自治体として何をしなければいけないのか?平時にどんな準備をしておかなければいけないのか?少し詳しく説明していきたいと思います。
まずは、事前の準備として、次の二つがあげられます。

  • 平時から国・都道府県と緊密な連携(情報の共有)
  • 他の市町村との協力体制の構築(相互協力)

もうすこし細かくいうと
○市町村長不在時の責任者の明確化(首長が被災した事例あり)
○庁舎の代替機能の確保(庁舎の浸水、停電等を想定) ○避難所・備蓄の確保(災害対策を行う上での前提)
○継続的な人材育成や防災訓練の実施(防災は「人」) ○住民等への自助・共助の呼びかけ(行政の公助だけでは限界)
○避難勧告等の発令判断の考え方や地域の災害リスクの確認(関係機関の助言を得て 十分に確認)
○居住地ごとの災害のリスク、とるべき避難行動を住民に周知(ハザードマップ等の活 用)

行政間の連携
市町村内部の取組
行政機関(国、地方公共団体、消防団等) 地域(自主防災組織、学校、企業、ボランティア等) 住民
多角的な連携
など、事前の準備だけでも、様々な対応をしておかなければいけません。
しかしながら、いざという時にこの準備が役にたつことは、言うまでもありませんし住民のみなさんを守ることにおいてもとても重要な役割をはたします。

もし、災害が発生してしまったとき重要なのは、初動対応です。
初動対応が遅れてしまうと、被害の拡大につながりかねません。
発生直後やらなければいけないことは次の五つ。
○救急、救命活動等の的確な指示(人命優先)
○応援要請の速やかな判断(使えるものは何でも使う)
○職員を総動員して災害対応(応援体制の確保)
○住民やマスコミへの情報発信(住民に安心感、支援の獲得)
○被害状況の確認と共有

人命救助を最優先とした速やかな災害対応が望まれます。
自治体の役割について書かせていただきましたが、それぞれの地域性にあった災害対策を行っていただければと考えます。
弊社も微力ながら皆さんのお役に立てればと思っております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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