BCPにまつわる話
千葉賢治氏
基本的な新型インフルエンザ対策
新型インフルエンザ対策は、通常のインフルエンザ対策の延長線上にあります。普段からインフルエンザ対策をきちんと行うことが新型インフルエンザ対策への第一歩になります。
また、新型インフルエンザに関する情報収集もたいせつです。観戦時の相談窓口や必要な備蓄品などの正しい情報を知っておくことが重要です。
これらの情報についてはテレビや新聞、ネット、自治体が提供する情報などから収集することができます。
まず初めに行うことは地震と同様「基本方針の立案」です。
注意すべき点として、
- 新型インフルエンザの場合、事業を継続する前提として従業員や家族への感染を防止し、その生命を守ることを最優先とすべきです。
- また、自社内の感染を防止するだけではなく、利用客や来訪者への感染拡大を防ぐことも重要です。
何のためにBCPを策定するのか? BCPを策定、運用することにどのような意味合いが
あるのかを検討しながら基本方針を立案します。
次は、「BCPを策定、運用を推進するための社内体制を決めます。
■ 経営者自らが率先してBCP の策定・運用推進に当たる
■ 企業の規模や業務の役割分担に応じて、策定・運用への参画者の人選をする
■ 取引先企業や協力企業との意見交換やすり合わせを行う
■ BCP を策定し、運用に取り組んでいることをすべての従業員に周知する
新型インフルエンザの発生時には働くことができる人員や顧客との取引が限られてしまう場合があります。そのような状況の中で自社の事業継続をかんがえなければなりません。そのため「どの事業が社会機能の維持に関わるか?」また「自社においてどの事業の継続を考えていかなければならないのか?」という経営判断をあらかじめ考えておかなければなりません。
- 社会機能の維持に関わる企業の場合は、まん延期においても事業継続を求められます。また、こうした企業がBCP を考える場合は、業界ごとでどのような対応をするのかを検討しておくことも重要となります。
- 一方で、事業継続に伴い感染が拡大してしまう危険性のある企業は、事業の自粛を要請される可能性があります。例えば、集会施設、美術館や博物館、動物園、図書館、劇場、スポーツ施設、遊園地などがあげられます。
・新型インフルエンザが発生した場合に、『どの事業を継続させるべきか?』などの経営判断を行うために、以下の3つの項目を検討します。
- 中核事業の特定
事業を継続しなければならない社会的必要性、経営維持・存続のための収入を確保する必要性などから、企業にとって中核となる事業である「中核事業」を特定します。
- 重要業務の把握
受注、部品在庫管理、出荷、支払、決済など、中核事業に関連する業務を把握します。この業務のことを「重要業務」といいます。
- ボトルネック資源の洗出し
重要業務の把握が終了したら、最後にその重要業務を継続するために必要な資源(人、物、金、情報など)である「ボトルネック資源」を洗い出します。
また、『中核事業やその他の事業をどのくらいのレベルで継続させるのか?(事業継続レベル)』を決めておく必要があります。
今回はここまで。続きは次回にお話しさせていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。