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  1. 普遍的リスク対策 乙守栄一
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第48回 組相手のニーズをくみ取る

普遍的リスクマネジメント

乙守 栄一氏

相対する人の真意、全てがすべて、言葉で表現されるものではありません。意図して言葉で察知されないように表現しない人もいれば、思いをくみ取ってほしいと願っているにも関わらず、相手側から自分に対する望みが叶わないような場面などもあります。

今回はここでいう後者の局面について触れていきます。相手は自分を理解してほしいと切に願っており、非常にマインドがオープンな状態です。しかし、自分がその理解をする前に自分の思い・解釈(拘り)を入れてしまうことで、相手の真意をくみ取ることに蓋をしてしまうことになります。

人はそれぞれ言葉で表現することが得意な人もいれば不得意な人もいます。逆に、絵で表現することが得意な人もいれば、行動(態度)で表現することが得意な人もいます。千差万別、思いは如何様にも溢れています。人の思いを科学的にかつ、総合的に把握できれば良いのですが、まだそこまで技術は開発も浸透もしてきていません。自分自身が相手の思いをくみ取ろうという意思と、それに伴い経験等で培ってきたスキルの積み重ねでしか対処できません。

私も小学校2年生のころ、横浜に住んでいた3歳年下の従弟が所有する当時の国鉄の車両模型で遊んでいたことを思い出しました。合計12両あったものをどの順番に所有し、遊ぶかという命題の中、年長の私は6台、6台の半分にして交代で遊ぼう、と提案したところ、従弟は自分が7両、私が5両、という形を結論付け、私は不公平だといって喧嘩したことがありました。当然従弟は叔母である母親に泣きつきにいって、「子供の喧嘩は仕方ないねぇ」ということで、はっきりしない顛末であったように記憶しています。小学校2年であった私にとって、従弟のニーズをくみ取る余裕は当時としては全く備えておりませんでしたので、当時の従弟の真意はどういうところにあったのだろう、と未だに思い返すことがあります。

従弟の気持ちがこうであったのではないか?と思い返すと、国鉄車両という身近に利用する鉄道の模型が自分のために両親が購入してくれたものだ、という所有の欲求を十分に浸りたいという思いがあったのではないのか?と思わざるを得ません。そこを強制的に理路整然と従弟の母親(叔母)が強制的に喧嘩両成敗とせずに、そのまま見守っていたということは、母親(叔母)が従弟の思いを十分に理解していたことの裏返しではないかと捉えています。

叔父叔母からは特に強制もされず、のびのびと育った従弟はその後、作曲家兼ピアニストとして全国各地でコンサートを開催するまでに活躍の場を広げています。

親が子の真意(ニーズ)をくみ取る、親子だからできるという芸当でもありません。日頃の生活、仕事、他人同士であっても当然、必要に応じて相手の真意(ニーズ)をくみ取ることはできます。

それはどうすればできるのか?それは『自分の心を開き、相手にどういうニーズ(真意)があるかを察し、そのニーズを満たすために行動する』ということです。自分の固定観念(こうあるべし)が、時には仇となり、相手の心に蓋をしてしまうこともあります。

相手の立場をしっかりと受け止め、きっちり共感する(ともに打ち震える)ことが必要です。相手と自分、何を一番大切にすると生かし合うことができるか、そのプロセス一つひとつに対して、丁寧に注意を払いながら進めていく(ある意味、ビジネスでいうならば究極のプロジェクトマネジメントかもしれませんが・・・)、このことが安心できる人間関係構築のベースになるのではないでしょうか。

AIに使われないための対策、というような内容の出版本が出る時代になりました。AIのような人工物に怯える前に、安心できる対人関係をどのように構築すればよいか、原点に立ち返ることで豊かで幸せな人生が過ごせる、不平不満のない世の中づくりに足元から貢献できるのではと考えます。

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