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第35回 夢の立ち位置を考える

普遍的リスクマネジメント

乙守 栄一氏

夢には大きく二つの意味があります。一つは睡眠中あたかも現実の経験であるかのように感じる心象のことで、もう一つは英語表現でいうドリーム、将来実現させたいと思っている事柄のことです。ここでいう夢は勿論、後者の意味です。

将来実現させたいという、将来の期日があった時点でそれは目標となります。その夢を如何に実現させるか、本人のやる気度合いによって実行計画、実行そのものという形で具体化されたプロセスに落ちてきます。一方、この夢に期限がないとそれがどういうものになるでしょうか?大きく二つに分かれます。期限がないことでずっと達成されない架空の目標、もう一つは目指すための道標、方向です。夢のことを私はもっと広義に定義したいと考えています。

具体的な例として、ある人にとって小学校の先生になりたいという目標があったとします。この先生になりたいという目標は、一つのルートで示すと大学を出て、教員免許を取り、各自治体が課す教員試験をパスすることで初めて門戸が開けます。配属先が決まり、めでたく小学校の先生になれます。さて、そこから先です。先生になったことで次は何を目指しますか?生徒を教える?それはもう夢ではなく現実となっています。大抵の場合、次がないのです。

今、大きな問題となっているのは、「この次がない」人が非常に多いということです。

かのイチロー選手の名言、メジャーでの優勝当日、シャンパーンの掛け合っているときの言葉、「優勝して今の気分は?」という問いに対する答えは、「もう冷めている、なぜなら優勝は既に過去のことだから・・・。」

この言葉が指していることは、もう明確です。イチロー選手は夢を目指すための道標、方向としているのです。目標というスライド軸を常に意識し、それを達成した後の個人の中長期プランが明確に存在しているのです。

高度経済成長時代はこの夢が明確にかつ定量的に具体的な形として人に対して見えてしまっていたのです。お金を稼いて一軒家の高級住宅に住みたい、非常に物欲に沿った雑駁な夢(幻影)でした。バブルも崩壊し、リーマンショック以降、低成長のままの現在、夢を失った(物欲を失った)人たちで溢れかえっています。今後劇的に発展を遂げようとしているミャンマー、隣国の韓国の活気にさえ及ばない、日本は程遠いレベルで活気がありません。

この夢をどう定めるのか?繰り返しになりますが、ここは方向、道標を明確にするしかありません。個人でその方向、道標を立てられる人はもう既に自立しています。しかし、大抵の人はそうではありません。大きな意味で、国家レベルでこの夢となる道標を立案・実現するのが効果として大きいことも事実です。良い例が今後予定されている東京オリンピック(2020年)、大阪万国博覧会(2025年予定)です。然し、何れも単発で終わってしまい、その後の持続がありません。イベントが終わればどれも過去のこととなります。

如何に自分自身の目指す方向、道標を持つことの意義が大きいかということです。具体的にはそれは何なの?と言われるかもしれません。小難しい表現になるかもしれませんが、それこそ自己理念になります。自分がどうあれば幸せか?どうありたいか?です。

ヒトの笑顔を見ることが幸せ、という自己理念を持った人がいたとします。方向、道標をその笑顔を求めることに定め、仕事を探すことも一つです。落語家の道を目指し、観客を笑わせるのも一つ、ジュエリーショップに勤め、自分の薦めたダイヤの指輪を新郎から購入しれもらった時の新譜の笑顔を得るのも一つです。

ある個人の目的・夢に一種のカリスマ的に共感が得られ、徐々に人が集まり出し、やがて一個体としての組織が出来上がる、これは非常に理想的な組織の出来上がり方です。そうはいっても 中々理想通りには行きません。それが世の中というものです。しかし、だからこそ自分の持つ自己理念だけは失わず、それに邁進していくことこそ、今の混迷した日本を生き抜く大きなヒントが潜んでいます。

夢を持つということは、自分から魅力を発するということに繋がります。言い換えればポジティブ、前向きだから人は集まるのです。ネガティブなところにはネガティブな要素が集まります。類は友を呼ぶ、自分のステージを上げるためにも、この自己理念(夢)を明確に腑に落としてみませんか?きっと違った世界観が見えることでしょう。

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