ここち良い風が吹く季節になりました、筆者はこの季節が一番好きです。「リスクマネジメントの王道」ネタ「安心・安全・快適に生活する方法」の2回目をお送りいたします。
日常生活を営む上で様々なリスクが発生しますが、その大部分はちっとした心がけと、予め適切な知識を持っていれば回避可能な部分も多いと信じます。この記事を読むことによりリスクに対する心構えとなり、いざという時にあわてずに対処する助けとなれれば幸いです。
なお、このシリーズの対象は個人及び家族単位までとします。
第2回 必ず来る?こない?地震への備え
漠然と来るとは思っている大地震、しかし対策となると中々やろうとはしないもの。ここでは知識として知っておくべきこと、予め備えておくべきことを説明します。
■関東大震災と東海沖地震の違い
筆者は田舎から上京して20年以上にわたりいわゆる関東圏に居住しています。しかしながら3年程前危機管理を学ぶ目的で立教大学の社会人対応の大学院で学ぶまでは関東大震災と東海沖地震の違いを知りませんでした!、私のような者は極端にしてもここで少し整理しておくことにします。
◎巨大地震の再来予測
◎東海・東南海・南海地震範囲図

* 情報源
ここでの情報は気象庁のホームページより内容を抜粋したものです。
* 内容の妥当性
地震は地学上の時間軸で発生する自然現象であって、人間の生活する時間軸での予測はなじまない性質のものとは承知していますが、一般に信じられている情報に従って災害に備えるのはリスクコントロールの観点から好ましいと考えてまとめてみました。
■知っておこう、行政の対応
自身に限らず自然災害全般に渡り行政側が住民を援助してくれます。その場合の基本的な基準を知っておけば、だいたいどのくらい持ちこたえれば、助けが得られるかの判断が出来ます。
① 事前対応
建築物・構造物の耐震基準の改定を中心とする『物理的減災』と、『事前準備』、すなわち防災体制整備、警戒・避難対策の整備、土地利用規制等による被害軽減対策とで対応する段階。
② 即時対応
発災後1日以内、救命中心。
③ 緊急対応
2日目から1週間、救援と支援中心。
④ 応急対応
1ヶ月以内、仮説住宅の建設など。
⑤ 復旧対応
6ヶ月以内、PTSD(Post Traumatic Stress Disorder:心的外傷ストレス障害)に対するケアの開始、瓦礫の撤去、復興計画の策定。
の各段階です。要するに「発生後2~3日を持ちこたえられれば、周辺各県からの応援も含め支援が受けられる」事を知るべきです。ここでは①~③までの範囲を考えています。
■緊急対応の3段階
地震、その他の自然災害を乗り切るリスクコントロールは三段階に分けて考えます。
① その時を生き延びる
●いきなり襲ってくる地震、現状では天気並みの予報は無理!、
●まずはその時を生き延びないと意味はない。
●それでは、リスクコントロールの方法は無理?そんな事はありません。
●一日の1/3は睡眠時間です、睡眠中に地震に襲われては身構えることすら出来ません。
●ここで発想の転換を図れば生存確率を高める事は出来ます。
●一日の1/3を過ごす寝室の家具に転倒防止対策をします。
(現代人は一日の1/3も睡眠を取る方はすくないのですが。。。)
●寝室のみならば、家中に比べて僅かな投資と手間で対策が可能な筈です。
●これで最も無防備な時間帯の生存確率を高める事が出来、精神的にも落ち着きます。
② 落ち着くまでの乗り切り方
実はこの部分が一番関心のある部分でしょうが、「災害時のサバイバル術」を本格的に解説するわけにもいきませんので、ここでは支援が得られる数日を乗り切るポイントとして、発生する可能性のある二次被害を挙げます。
その場の冷静な判断や、ラジオ、携帯電話等の信頼出来る情報を頼りに乗り切りましょう。
●余震:第一激を乗り切っても数度に渡り、余震は起こる事を思い出して下さい。
●火災:地震による揺れで、火のついたものを転倒させ、火災を誘発します。
●津波:地震多発国の日本では、地震後これまでに多くの津波が発生しています。
●土砂崩れ:急傾斜地等で、地震による振動によってがけ崩れが発生します。
●液状化現象:水分を含んだ緩い砂地盤で、地震による振動により地盤が液状になり建物が倒壊する被害が発生します。
●流言:根拠の無い情報に惑わされ、無秩序な行動を取り他人に被害を与えます。
③ 復旧への備え
災害発生後一ヶ月も過ぎると大部分のガス、水道、電気、公共交通機関等々の生活インフラも回復してきます。そこで元の「安心・安全・快適」な生活を取り戻す努力が始まります。
●保険(地震保険もお忘れなく)支払いの手続き
●住宅の確保(修理、再建、仮設住宅の手続き)
●交通インフラの回復状況により、通学路、通勤路変更の検討
●破損した家財道具、生活用品の補給
これらの作業を黙々とこなしていくことになります。
■安否確認
災害時には肉親、親しい友人、学校、会社などへの安否の確認が必要です。
その為には携帯電話が非常に有効です。しかしながら、一度に多数のユーザーが使用する為に問題も起こります。
① 輻輳(フクソウ)って?
通信回線(電話線)、通信設備の被害、災害直後の通話量の増大、更に救助活動開始時には
外部から携帯電話が大量に持ち込まれ、電話回線が設計時の想定以上の通話が殺到し交換機がダウンする現象。
② 発信制限
輻輳(フクソウ)が発生すると交換機がダウンして、ダウンした交換機が受け持つ通話が全て出来なくなりますので、対策として、一定のルールに従って通話を制限します。その結果なかなか相手に接続出来なくなります。
③ 安否確認:災害用伝言ダイヤル
災害用伝言ダイヤル:171は災害発生時のみに提供されるサービスで、被災地内の電話番号をキーにメールボックスとして機能し、安否等の情報を音声により伝達するボイスメール・サービスです。
http://www.ntt.co.jp/saitai/171.html
④ メールには発信制限は無い!
知っておいて下さい、通常の電話機能には発信制限が加えられても、メールには一切発信制限は加えられません。通信量の増大から相手に届く時間は通常よりかかりますが、送信がエラーにならない限り必ず通じますので覚えておきましょう!
■情報源
現在の情報源といえばやはりインターネットでしょう。
筆者は毎朝、時間を決めて幾つかのURLを一通り見ることにしています。下記の4つのサイトを見る習慣をつけるだけでもリスクコントロールへとつながります。お気に入りに登録しておけば一通り閲覧しても5分程の時間しかかりません。
① 台風情報:天気予報コム
毎日その日の天候を知ることは必要でしょう。
http://www.tenki-yoho.com/typhoon.html
② 週間天気予報(関東甲信)WNI Cyber Weather World
一週間程度の天気は、スケジュール作成にも必要でしょう。
http://weathernews.jp/cww/docs/week/kanto.html
③ 雷情報・今日Or明日
このサイトは一目で、全国的な分布が解ります。
http://www.weather-service.co.jp/Public/cts0004/weather/kaminari/thunder0.html
④ Yahoo!天気情報 - 地震情報
さすがに予報情報は無理ですが、一々ニュースにのらない情報も一目で解ります。
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/
■防災無線
正しくは防災行政無線は、人命に関わる通信を確保するために整備された専用の無線通信システムです。公衆通信網の途絶・商用電源の停電の場合にも使用可能なように整備されています。
直接我々一般人に関わるのは、情報の伝達に使用される一般向けの防災無線によるアナウンスです、因みに「夕刻一定の時間になると音楽を流しているスピーカー」が防災無線です。
マンション等セキュリティー、防音効果の為に密閉された環境で生活して外部の防災に関する放送が聞けない方には、一般家庭向けの専用受信機も市販されています。常に受信待機状態で、放送のあるときだけ音が出ます。大手デパートや郊外型の量販店の防災グッヅコウナーで手に入ります。
■TV、ラジオ
災害時に情報機器は流言に惑わされない為にも非常に有効です。最近はTVも車に実装されたナビゲーションシステムとの兼用タイプも普及しており、災害時でも実用になりますが、やはりラジオがもっとも有効な情報機器となるでしょう。
■防災用品の考え方とアイデア
確かに防災用品の準備は必要です。しかしながらただ防災用品を購入して置き去りにし、メンテナンスをしていない為にいざというときに役にたたない!では困ります。
防ぐアイデアを提案します!
① 電池
メンテナンスを怠ると、イザというときに役に立たなくなるのが「電池」です。
非常袋の中身をチェックすると、ラジオ、ライト、は必須で、災害時の安否確認に役立つ携帯電話にしても電源は必要です。ところが、非常袋の中身の電池はなかなか交換等しません。その結果自然放電や液漏れが発生してイザというとき役に立たなくなります。
アイデア・1
●手回し発電機付のラジオで、ライト付、しかも携帯電話各社の充電コードまで添付された製品が簡単に手に入ります。最低一つ非常袋の中へ入れておけば電池交換の手間は省けます。
●筆者の自宅にも数セットあり、非常袋の中だけでなく日常でも便利に使用しています。
●郊外型量販店の防災用品売り場だけでなく、何とコンビニでも廉価で購入可能です。
←筆者のアイディアランプ
実は三極真空管!
ピカ! ではなく ボ~ です。
② ミネラルウォーター
こちらもメンテナンスフリーにしようとするアイデアです。古くなったミネラルウォーターを交換する手間を省きます。
アイデア・2
●非常袋へ入れたままにせずに、普段から使ってしまいます。
●台所へ1リットルのペットボトルを多数並べて、古いものから使っていきます。
●ポイントは数本は常に残っているように運用?することです。
●災害時には数日を持ちこたえれば、外部からの応援(救援)が期待できます。
●その間を持ちこたえるだけの備蓄を確保できれば良いわけです。
* このアイデアは米、その他の保存食にも応用できます。
■最後に
いかがでしたか、筆者は独身時代ロサンジェルス大地震を体験しています。流石はリスクコントロールの本場アメリカでの事、発生後数時間後には軍が出動し、あらゆる救援活動が開始される。。。と思いきや、基本的には自力で被害地区を脱出するか、その手助けをするのが初動対策でした。なかには自分には手を出すな!との意思表示か銃を持ち出している人もいた事を覚えています。結局12時間後に同僚を連れて危険地区を脱出し難を逃れたしだいです。その時の必死の思いを、思い起こしながら記事を作成しました。
少しでも、読者の方々の非常時の備えに役立てれば幸いです。
☆今後の予定
第3回 外資系企業での働き方
筆者は年齢52歳のITエンジニアで、20歳台前半までは一生日本人以外の方と仕事をすることがあるとは夢にも思いませんでした。ところがここ10年ほどは外資系企業での仕事が中心となっており戸惑いもあります。
比較的高度な教育を受けた外国人と仕事をするということは、そこには異文化接触による葛藤が発生し、その問題を調整しなければなりません。その為に必要なヒントを提供します。
第4回 食のリスクコントロール・1 -ファーストフード利用のリスクコントロール-
筆者はいわゆるジャンクフードが大好きです。一般の店舗で販売されている限り、食品衛生法が適用され、直接的な危険はないとも言えますし、食べる事が悪いとは主張しません。
しかしながら、毒性はなくとも食習慣として定着させると不都合も出てきます。ここではファーストフードを常食するとおこる不都合な部分を解説します。
第5回 食のリスクコントロール・2 -インスタント、レトルト食品-
筆者もまたインスタントラーメンやカップ麺を多食した時代があります!とても簡単でしかも安いのでITエンジニアには必須のアイテム?なのですが、腹がもたれる、栄養が偏る等の不都合もあります。今回は軽い気持ちで解説します。
第6回 火災への備え
今回は防災関連情報には欠かせない火災がテーマです。火災対策は防ぐことと、起きたときの対策に分けられますが、私の防ぐ対策は主に人間の注意によるのではなく、装備によるものが主となります。例えば、差込プラグにゴミが付着しておこる「トラッキング」現象火災は、プラグのメンテナンスと普段からの注意ではなくて、「トラッキング」現象対策プラグを使用する、といった具合です。御一読下さいませ。
タイトル、順番、内容は読者の御意見等で変更となる場合もありますので御了承下さい。
以上毎月1回、残り4回でお送りします。 |