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ソーシャルリスク毎熊
          
毎熊典子 リスクマネジメント レピュテーション ソーシャル
特定社会保険労務士 毎熊 典子  

第10回  「ソーハラ」とは? (最終回)


Q10.最近、「ソーハラ」という言葉を耳にしますが、どのような意味でしょうか?


  A10.「ソーハラ」とは、ソーシャルメディアを通じて行われる職場のハラスメントのことをいいます。





1  「ソーハラ」とは?

 
「ソーハラ」とは、Facebookに代表されるソーシャルメディアを通じて行われるハラスメントのことで、ソーシャルハラスメントとも言います。以前には聞かれなかった言葉ですが、ソーシャルメディアの利用者が急速に増える中で、ソーシャルメディアの利用にかかわる新たな労務問題として話題にされることが多くなっています。


2 具体的にどのような行為が「ソーハラ」に当たるか?

 
・Facebook上で上司から執拗に友達申請をされ、半ば強制的に承認させられた
・投稿するたびに上司が「いいね!」をしてくる
・上司の投稿に対するコメントや「いいね!」を強く求められる
・友人とのプライベートなやり取りに上司が割り込んでくる
・プライベートな投稿内容について職場で話題にされる

こうした行為は、いずれも「ソーハラ」(ソーシャルハラスメント)に当たる可能性があります。


3 「ソーハラ」はパワハラ?


職場のパワハラ(パワーハラスメント)は、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義され、次の6つの行為類型に分類されます。

行為型 行為の内容
①身体的な攻撃 暴行や傷害
②精神的な攻撃 脅迫や名誉毀損、侮辱、ひどい暴言
③人間関係の切り離し 隔離や仲間はずれ、無視
④過大な要求 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
⑤過小な要求 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた、程度の低い仕事を命じたり、仕事を与えないこと
⑥個の侵害 私的なことに過度に立ち入ること


 職場において上司が若手社員に対し、Facebook上の友達申請の承認を過度に求めたり、むやみにプライベートな事柄に立ち入る行為は、「個の侵害」に当たる可能性があります。また、男性上司が女性部下に対して友達申請をした場合には、その後の行為態様によってはセクハラを主張される可能性もありますので、注意を要します。


4 ソーシャルメディア上で部下を非難すると不法行為責任を問われる?

  上司がソーシャルメディア上で部下のことを非難する内容の投稿をすることも、「ソーハラ」(ソーシャルハラスメント)に当たり、場合によっては不法行為責任を問われる可能性があります。不法行為に当たるか否かは、①投稿内容を誰が閲覧することができるか(公開設定か非公開設定か)、②投稿内容から非難されている個人を特定できるかにより判断されます。職場とは一切関係のないソーシャルメディアを利用して、公開範囲を限定した閉ざされた環境でなされた投稿であれば、家庭内での愚痴と同様に考えられ、「ソーハラ」(ソーシャルハラスメント)には当たりません。他方、公開設定の投稿で、誰でも見ることができ、投稿内容から誰のことを言っているのか特定できてしまうような場合には、部下の名誉を毀損する行為として不法行為責任を問われる可能性も否定できません。


5 「ソーハラ」防止対策は?

「ソーハラ」(ソーシャルハラスメント)を防止するためには、まず既存のハラスメント防止規程の見直しを行い、ソーシャルメディアの利用をめぐるハラスメントに関する規定を整備して、社員に周知・徹底することが必要と考えられます。特に、「ソーハラ」(ソーシャルハラスメント)の発生防止については、上司の意識が重要となることから、管理職向けにハラスメント研修を実施して、「ソーハラ」(ソーシャルハラスメント)に関する教育・指導を行うことが効果的です。

 





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 http://www.frantech.biz/article/13741871.html