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第41回 縁を深めるための関係性構築

普遍的リスクマネジメント

乙守 栄一氏

人とヒトとが関係性を結び合う時、必ず何かしらの縁が存在します。
たとえば、出身大学が同じであるということ、出身県が同じであること、または苗字が同じであること、さらには生年月日が同じであることなど、出会う確率が低いと思われる共通項が見つかった時ほど、強い縁を感じるものです。

さらに、苗字が同じで出身県が同じであることが分かると、時として親戚では?と考えてしまうことなど、得てして多重の共通項があるとさらに縁を強く感じてしまいます。

これらの縁が掴めると、お互いの関係性を育む入り口のガードが一挙に下がることが多くあります。営業の方などはこのようなキッカケを何とか見つけ出して、話題作りのネタにすることで、関係性を作り上げることにもよく実践されています。

しかし、ここからが異なる次元のハードルが、実際のところ存在します。関係性構築の入り口に入ることはできたものの、本当の関係性構築はここからです。その相手の方との相性もあるでしょう、性格もあるでしょう、感性の違い、タイミングの問題もあるでしょう。様々な要素から、無意識/意識的を問わずに「合う・合わない」という関係性構築の方向性に対して、お互いが選定に入ります。

関係性を深めるためにはその相手の方とどのように時間を掛けるか/掛けないか、ここが大きなポイントです。とはいっても時間は有限です。ただでさえ時間がない人にとっては、次なるアクションをどうするかが大きな分かれ目となります。その一つに最近、おざなりになりがちな「気遣い」ができると、これは非常に相手にとっても目立ちます。最初に縁を結んだときに、必ずお礼の連絡を入れるということです。時間がない場合はメールで一言“御礼”のメッセージを伝える、これだけでも非常に大きなポイントです。私の知る社長は、必ず手書きで礼状のハガキを出されています。その相手の方のために、オリジナルの一言を添えることで、必ず“印象”に残ることに繋がります。私は美術展に寄った時に必ず絵葉書を購入し、タイミングによってこの絵葉書をすぐに使えるようにストックしています。

この「気遣い」はお布施の考え方にも通用します。お布施とは財を伴うものばかりではありません。仏道において「無財の七施」といい、自分自身の善根をみがく修行の一環として古来より存在しています。六波羅蜜(六度=布施(ほどこし)・持戒(規律)・忍辱(たえしのぶ)・精進(努力)・禅定(おちつき)・智慧(学ぶ))にも示されているこの布施には財力や智慧が無くても七施として、七つの施しが出来ると言われています。

七施とは次のとおりです。

一、慈眼施(じげんせ)
慈(いつく)しみを持った目線、優しい目つきであらゆることに接する。

二、和顔悦色施(わがんえつしきせ)
いつも和やかに、おだやかな顔つきで人に対する。

三、愛語施(あいごせ)
ものやさしい言葉を使うこと。一方で叱るときは厳しく、愛情こもった厳しさが必要。思いやりのこもった態度と言葉を使うことをいう。

四、身施(しんせ)
自らの身体で、ヒトの嫌がることでも喜んで気持ちよく奉仕すること。模範的な行ないとして身をもって実践すること。

五、心慮施(しんりょせ)
他者のために心を配り、心の底から共に喜び、共に悲しむことができ、他人が受けた心のキズを、自分のキズの痛みのように感じとれること。

六、壮座施(そうざせ)
座席を譲(ゆず)ることである。自分に疲れがあっても、電車の中では喜んで自ら席を譲ってあげること。さらには、自分のライバルのためにさえも、自分の地位を譲っても悔いないでいられること。

七、房舎施(ぼうしゃせ)
たとえば、突然の雨や風をしのぐ場所を、たとえ自分がずぶ濡れになりながらでも与えること。思いやりの心ですべての行動を実践すること。

何れの“布施”も“徳”に繋がると言われ、四国八十八か所巡礼での“接待”にもこの“布施”に通じるところが存在します。“してやったんだ”意識ではなく、“喜んでもらう”という意識醸成、これができると相手の心の認証・認可は間違いなく得られます。ただし、相手にその目線がある人であるかどうか、自分自身でその見極めができることがまずは肝心です。

日頃の業務にしても人付き合いにしても人間関係は根底にあります。この人間関係作りが行なえないことで、心の安寧は得られず、結果として物事がうまく進められないリスクが付きまといます。少しでも人的要因によるリスクを低減するためにも、縁を深める関係性構築はその根底対策に繋がると考えます。

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