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第85回 近視眼の脅威とそのリスク対策

私も仕事柄、PCでの作業、ならびに本を読む機会が多く、歳のせいか目の霞むことが非常に多くなってきました。このように、目の前の作業に集中するあまり、周りが見えなくなることが多々あります。これはあくまで私個人の進みつつある老眼に纏わる日常生活の一コマであるに過ぎません。しかし、ある意味それが日本社会に対しての目線にそのまま当てはまる、そういう脅威に日本国民はすでに晒されています。それすなわち、近視眼の脅威です。

日頃、目にする、耳にする情報はどこから入手されているでしょうか?新聞、テレビ、ネット、仕事の同僚との会話、友人との対話など、多岐にわたっていることでしょう。その情報を事実としてどの意識レベルで受け取っていますか?たとえば、15秒で放映された情報を元にそれが全てであるという意識で、人は解釈してしまいます。「咀嚼」、「要約」、一見良い響きに聞こえるこれらの単語も裏を返せば、本来伝えるべきポイントを「省く」、「伝えない」という要素も含まれています。15秒のネタにするために、報道機関が真実という形で伝えるのではなく、偏向/隠ぺいと言われる「本質隠し」の情報操作・編集が頻繁に行われています。

その背景・理由は言わずもがな、視聴率稼ぎ、スポンサーや国際間の見えない相手からの圧力等々、幾らでも存在します。このような本質隠しの情報と日頃、短絡的に接してしまう国民一人ひとりの視力に悉く乱視が入ってきています。いざ遠くの物事をみようとしても、乱視が邪魔をし、ピントが合わなくなってしまっているのです。人は世間を見るための目線が、自力でのピント調整の筋力が効かない視力に陥ってしまいました。

視力矯正のための手助け(眼鏡)は他者から提供されます。しかし、他者から提供される眼鏡は他者目線依存型の眼鏡であるため、偏ったところにピントが合ってしまいます。言い換えれば、偏った意見のところに焦点が定まるオートフォーカス機能付きのレンズになります。ますますその視線は偏向に誘導され、他には見向きもしなくなり、空気が流れている如く、本来気づくべきものでさえもスルーさせてしまう、怖ろしい症状を併発していきます。やがて、視力は衰え、白内障という濁りでさらに見るべき情報が白濁してしまい、緑内障ということで見るべき視野(情報)が欠けていくという症状に陥いり、やがては失明に至ります。

ここまで視力という観点の比喩で語ってきました。もうお分かりかと存じます。敢えてこの比喩を置き換えることは致しません。

では、これらの視力低減のための処方箋はあるのでしょうか?それは存在します。自分自身が持つ自己免疫機能そのものです。自己免疫向上のためにはどうすればよいでしょうか?それは自分自身で自分の持つ免疫を鍛えるしか方法はありません。言い換えれば、一つひとつの目にする情報、事実を検証する自分自身の熟考力そのものを鍛えるしか方法はありません。目の前に現れる情報は目に「見えるウイルス」そのものです。それらに感染しないよう、如何に自己免疫を鍛えるか?それは自分の思考回路を鍛えるしかありません。鍛えることで「見える」ウイルスに対抗できます。何故なら、目の前の対象が見えるから戦えるのです。「見える」ウイルスを構成する嘘の情報を指し示す「棘」を抜き、隠ぺい工作の原型「エンベロープ」を破壊し、中に囲われた真実を見つけ出すことが必要です。鍛えることを怠ると、茹でガエルのごとく高熱を発症し、やがては自分自身の身を滅ぼしてしまいます。若かりし頃は優秀で、且つ見る目のあった同世代のメンバーも、残念なことにこの「見えるウイルス」に罹患し、茹でガエル状態化し、その「見えるウイルス」のコピー(異分子)をどんどん増やす立場(宿主)となってしまっています。

国家安寧、次世代に向けた社会継承を行なっていくためにも、自分自身の視力で物事を見ることのできる、かつ自己免疫“脳”を備えた人の復活、これが必要なことは言うまでもありません。悲観ばかりしていても何も始まりません。一人ひとりの視力回復、この回復活動に対して“私の指”にとまる人が一人でも多く出てくることを願って止みません。

(株)シー・クレド 代表取締役
京都府立医科大学特任教授
乙守 栄一

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