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  1. 普遍的リスク対策 乙守栄一
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第100回 継続は力なり

今回の連載で100回目を迎えました。足掛け8年と4カ月、月1回のペースで歩んでまいりました。「普遍的リスク対策」と題して自分なりに気付く範囲でタイトルを設定し、記載してまいりました。何のために?とよく訊かれますが、一言「継続は力なり」ということです。訴えかけのメディアの中心がメルマガやブログから映像系に移行する中、このような機会を提供・継続いただいたRMCAの皆様には感謝しかございません。この場を借りて御礼申し上げます。

当初、連載の話を頂いたとき、自分自身の方向性がまだ定まらない混沌とした状況の中、自分自身を発見するために始めたと言っても過言ではありません。一種のペースメーカー的な位置づけであり、そのネタを見つけるために「月間致知」に気づきを求めることもあれば、数々の書籍から気づきを得ることもしばしばでした。

元々はシンクタンク業界にてITを起点としたコンサルティング業を生業として歩んできました。社内会議、クライアントとの会議の中で、入社当初の上司からの一言に「『語尾に**と思う』という表現は絶対に使うな」と口酸っぱく言われました。シンクタンクという業界ならば「語尾は**と考えます、想定されます」という表現になるはずだ、と。感想を述べるようなあやふやな気分で仕事をしてはいけない、一つの気の引き締めを覚えた時期でした。元々は理系畑出身であり、理屈さえ通れば良いという世界観の中に意識の大部分を占めていた私の心に、大きく風穴を開けられました。

そこから理解するとは何なのか?決して一つひとつの事象に深く精通することだけが理解するということではない、という悟りを求めて自分自身が日々追い求める旅に出ることとなったのです。その経歴がこの100回と共にあったと言っても過言ではありません。

納得するためのアハ体験(新たな気づき/納得)を常に求め続け、その体験を自分なりに解釈し、あらためて文章に書き起こして共有する、そういうことの繰り返しを自分なりに行なってきたつもりです。

8年余りの月日の中では、良いも悪いも様々な人との出会いがあったのも事実です。そういう出会いの中からも気づきを得られ、今の人生観に大きく影響を与えられている要素も多分にあります。

一元的な物事の見方が大きく偏った思考回路になってしまうという大きな気づきがありました。多元的な物事の観方ができてこそ他人の考えを理解でき、相手と共通視点があれば共感( ☜ 趣味が同じという点で話が弾む感じとでも言いましょうか)できる、これらの要素こそ新たな時代には求められる思考回路になってきています。

新たな技術進歩、ChatGPTをはじめとした生成AIが激しいスピードで進歩をする中、人とひととのあいだでコミュニケーション機会がさらに少なくなってきている、そのことに対する危機感を唱える人も出てきています。

便利になる=思考する機会が減る、という方程式を崩すためには、やはり自分自身が忙殺されない、時間に追われない心の余裕が必要となってきます。

時代の先読みも重要な要素となってきます。世界情勢や日本の政治が混沌とする中、踊らされているのは一体何処なのか?それは自分自身に関わり、影響することなのか?そこに自分自身が役割を果たすことが可能なのか?時には踊らされているフリを演じることもしながら、ゴールをどこに置くべきか?地位を勝手解釈・勝手都合主義に牛耳る権力と勘違いし、暗躍する魑魅魍魎たちを“祓う権威者”の出現が望まれます。

時代は変われども真意は変わらず、手段は変われども目的はブレない、これを肝に銘じ、益々精進してまいります。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

注:致知出版社から毎月発行される人間学雑誌。これまでの碩学者やあらゆる困難な局面に対処されてきた現代人に焦点を当て、国難の日本に一隅を照らす。王貞治氏や栗山秀樹氏などの著名人愛読者も多い。

株式会社シー・クレド
代表取締役 乙守 栄一

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