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第50回 運をリスクマネジメントに活かすには

普遍的リスクマネジメント

乙守 栄一氏

あけましておめでとうございます。2019年も暮れ、2020年が明けました。昨年一年、どういう年だったでしょうか?皆さんにとって運が良い年だったでしょうか?それとも、まったく自分自身の想いとはかけ離れた結果となり、運が味方に付かなかった年だったでしょうか?

運とは、漢字の成り立ちから見ると次のようになります。「軍」は車の上で旗がなびいている形を表しています。将軍が自身の乗る軍の車の上から指揮をし、それにしたがって軍が進むべき道を行く(シンニョウの意味)、ということを表しているそうです。運とはめぐるもの、という考えもあるそうですが、果たして時の“運”ということだけなのでしょうか?

運の良い人、強い人、という表現は、時の成功者に対してよく言われます。この運の良い、強いという概念は、単なる偶然の賜物でしょうか?いえ、偶然の結果の連続で、人は簡単に成功という結果を手に入れることはありえません。

では、運の良いとは誰にとって良いのでしょうか?もちろん、自分自身にとって、ということは言わずもがなです。運の良くない、とは誰にとって良くないのでしょうか?これも、自分にとってでしょう。この結果から考えると、運の良い、良くないはすべて自分自身の想いで決定しているということになります。

人は考える動物です。思慮深く考えれば考えるほど、物事をプラスにもマイナスにも分けて考えてしまいがちです。プラスの方向を考えれば、必ずその対極にあるマイナスの想念が生まれてきます。その逆も然りです。前向きに物事を捉えようとして、ポジティブシンキングという実践法が席捲していますが、これ自体も物事の対極にネガティブシンキングというマイナス要素に分けて考えてしまっています。

表面上の意識でいくらポジティブに物事を捉えようとしても、潜在意識(心の奥底)ではネガティブな要素が潜んでいるもので、人は全力を出すべき局面では力を発揮できません。全力を出すべき局面で、自分自身が期待する結果からどの程度ギャップがあるか、このギャップの度合いで、運の良い悪い、という判断を生み出しているとも言えます。

では、どうすれば運の良い状態を自分自身にもたらすか?一言で言うならば、プラス、マイナスの対極を作らない行動を日々、心がけるということになります。仏教用語で“空”という状態を目指す、ということに近いかもしれません。この実践方法についてはその筋の専門の書籍等に譲る形を取りたいと思いますが、人生導かれるまま、長期的な視点で顧みたとき、あの時の一瞬の出会いによって今の納得いく人生が形作られた、と捉えることができるならば、それは自分にとって運が良かった、ということになるでしょう。

運とリスク、これに共通する要素、何があると思われますか?これらに共通する要素は“不確実性”です。確率論、とでも言いましょうか。本来、リスクとは言葉として危険というネガティブ要素が含まれていますが、リスクマネジメントの専門家の間ではプラスマイナスの概念は含んでいません。リスクとは良いも良くないも、プラスマイナスの概念を含まない、ただ起きる可能性があろう不確実性そのものを指しています。リスクとは脅威というネガティブな用語とセットで用いられることが多いため、常態語としてのネガティブ性が付いているに過ぎません。

自分の歩むべき道、それを“運”と定義したとき、目の前に広がる数々の選択肢。どれをどう選び、実践する。結果はどうであったか?それは自分自身の責任でしかありません。

結果がどうあれ、プラスマイナスの概念なく事実を事実のまま、対極性を持たせない見方で認識する。日々、発生するオポチュニティ(機会)を確実にモノにし、その連続性の結果、運(道)が導かれまます。決して偶然で得られるチャンス(機会)では運は導かれません。

皆さんもオポチュニティ(機会)をきっちり捉えるリスクマネジメントで、今の停滞した世情を打開してみませんか?

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