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  1. 普遍的リスク対策 乙守栄一
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第75回 真の目覚めへ至るには?

ここ最近、生命の尊さに接する機会が増えてきました。自分という人間は何のために生きてきたのか?と素朴に疑問を持つことがあります。人生が後半を迎えるとき、生を持って産まれてきた自分の使命が何だったのか?

人は生まれてくる前に封書を託されると言います。その封書には何が書かれているか、生を受けるあなたがどういう事をしなさい、という使命が記載されているそうです。しかし、ひとは成長するにつれ、その封書の内容は見えなくなっていくそうです。人生とはその封書に書かれた内容を探す旅であると。使命に則って人生を全うしていれば運は開け、そうでなければ運は開けないと。運は天次第ともいいますが、要は自分がその使命に気づいているかどうかということで、運が開けるということのようです。

思い返すに、小中高大学、私の場合は大学院前期課程まで修了し、会社に入り、そこから18年のサラリーマン生活を経て、独立して今に至ります。

その履歴を辿るとき、出会うべくして出会う人にも出会い、出会うべきではない人と出会い、反面教師として学習し、修正を加え、今の自分が形成されてきていると考えています。

キャリア一つとっても、化学系出身でありながらなぜか研究でシミュレーションをしていた関係で、主と従でいえば、従側のスキルでIT業界に入りました。研究ではシステム工学の最適化手法(AIの前身)を用い、目的とする試料の合成物質を得るためのシミュレーションで、試行錯誤の実験を行なう段取りを一挙に短縮することに貢献しました。会社に入ってからは対象が変わり、保険システムの分野ではリスクの最適化を業務として携わり、情報セキュリティではサイバー攻撃を主とした情報リスクに対する最適化を業務として経験を積み、さらにコンサルティング分野ではIT全般の最適化を行なうことで、発生し得る業務の最適化に貢献する、ざっとこのような経験値を積んできました。

独立後も失われた20年、30年を取り戻すという信念のもと、教育分野への取り組みも自分なりにアレンジし、実施してきました。しかし、日本人の思考回路は米櫃に、まるでこびりついたシツコイ焦げのように変わらず、未だに変化することを徹底して拒んでいます。

人生急がば回れとは言いますが、経験すべきことを経験しなければ人は気づきを得ないこと、それを無駄とは考えてはいけません。ただ、拘りが強すぎることに依る省ける無駄は最適化する、これこそ時代の進化を支え、技術も進化させてくる一つの要素・原点となってきたことに違いはありません。歴史は繰り返す、ヘーゲルの弁証法にも語られていますが、横から見ればらせん状に様々な進化と共に歴史は変化・成長しています。

個人の使命として存在するならば、1億人を超える日本人という集団にも日本という組織をどういう風に持って行くべきかという大きな使命が代々託されて存在しているはずです。この大使命を感じ取る、気づく人が手を携え、一致団結することこそ求められている今、この大使命がまったくノンポリシー・ノープランな志向に向いてしまっていることが非常に危機的な状況と言わざるを得ません。世にいう全体主義と一言で片づけることはできますが、志向性のない中で流されてしまっている全体主義、これはまったくもってその国が亡ぶパターンに当てはまっている歴史上の危機そのものの状態です。

グローバル化に慣れていない日本人、でもそのグローバル化に突入してしまい、様々なものを提供し、様々なものを奪われ、空虚化された今のノンリソースな日本の状態を産んでしまいました。

今後、日本はどのように歩んでいけばよいか、高齢化、少子化、それを支える海外人材の移入、国力の維持・発展をどのような信念(使命の総合体)として進めていくべきか、私自身の使命を果たしてきているとは、まったく言い難いと感じる今日この頃です。

私自身の使命、如何に真の無駄(リスクもその一つ)を省き、それがなくなることで人が幸せになることができるか、そういうことに力を注いでいきたいと考えています。これが私自身の運を開いてくれると信じながら・・・。

皆さんはどんな使命に気づき、それを日々実践されていますか?これまでの人生の足跡を振り返り、共通項を見出してみるのも良い機会かもしれません。

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