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第43回 冗談では済まなかった責任者の社内クイズメール

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ソルナ株式会社

はじめに

今や毎日どこかで起きているといっても過言ではない、炎上事件。その中には企業から発生してしまう炎上事件も数多くあります。
企業が起こす炎上事件というと、リスクに対して意識が低い一般社員やアルバイトやパートタイマーが起こしてしまうイメージがあるかもしれません。

しかし今回ご紹介するのは、本来意識が高くなければいけない、指導する側の社員が起こしてしまった炎上事件です。
炎上事件の発端は、企業の長時間労働やパワハラの改善に取り組む団体によるTwitterに投稿からでした。
その内容は、ある飲料自動販売機事業を行っている大手企業の支店で、責任者である支店長が部下の社員達に対して2年前の2016年頃に送ったメールについてでした。
メールでは、「有給チャンスクイズ」として、都内の主要駅の自社自動販売機売り上げを売り上げ順に並べるものでした。

これだけであれば、社員達の自社商品や自社売り上げに対する意識や知識を計るものであり、なんら問題はありません。

なにが問題だったのかというと、このクイズに対して「全問正解したら有給チャンス」や「不正回答をしたら永久追放」といった部下の休暇や人事を勝手なクイズによって決めるという、まさにパワハラの見本のような行為であり、しかも問題にミスがあったにも関わらず全員不正解とするなど、これを見た多くの人達から批判が巻き起こり、ついにはテレビでも取り上げられてしまう炎上事件となりました。

なぜ社内メールが外部団体からSNSに投稿されたのか

そもそもなぜ、このような社内メールが外部団体からSNSに投稿されたのかというところですが、このパワハラクイズメールを送信した支店長はミスをした社員をさらすような行為や、腕立て伏せを強要するといったようなパワハラを日常的に行っていたとされていて、この状況の改善を求めた同社の社員から提供されたものだったようです。

しかし、実際にクイズに正解しなかったから有給を取らせなかった、不正解だったから左遷になったというような事実はなく、また会社全体でこのようなことが行われていたということもなく、今回の件は支店長の判断で行ってしまったことである、という回答でした。また、日常的にパワハラはあったのか、という質問に対しても3年以上前のことになるので調査中として明言を避けました。

そしてこの炎上事件を受けてこの会社では、謝罪文をホームページに載せる事態となりました。
以前の炎上事件といえば、一般社員やアルバイトなどが社内情報を外部に漏らしたり、不適切・反社会的な行動を行い、その行為を外部もしくは自ら発信することで炎上することが多くありました。

しかし今回の炎上事件の原因となったのは、部下を指導する立場にある支店長でした。

パワハラやセクハラといった問題に対しては世間の目がとても厳しくなっている現代において、さらに外部に漏れる可能性のあるメールでパワハラをしてしまうというのは、支店長としてあまりに意識が低すぎると言わざるを得ません。またこのような支店長の行動に気付かなかった、もしくは注意できなかった企業自体の信頼も大きく落ちる結果となります。

企業の経営者は、まさか支店長が、まさか課長が、部長が、というような思い込みはせずに、社員教育はまず幹部や責任者から徹底して行うということを、今一度考えて頂きたいと思います。
弊社では今回の様な社員によるリスクある行動を未然に防止する為の研修プランを用意しています。
研修と理解度テストの合格により「知らなかった」「うっかり書き込んでしまった」という言い訳の出来ない環境を整えることが可能です。
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