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第34回 悪質なTwitter投稿の削除申請の方法

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ソルナ株式会社

はじめに

昨年、Twitterでのなりすましアカウント被害に対して画期的な判決が出ていたことをご存知でしょうか。
情報を手軽に発信したり、逆に様々な情報を入手するのに便利なTwitterですが、多くの人が使うようになるとそれだけ問題も起きてしまうものです。
今回はそんなTwitterにまつわる問題の中でも、昨年裁判所が異例の判決をした「なりすまし問題」に注目し、またそこからTwitter投稿の削除申請についてお伝えしていきたいと思います。

そのなりすまし事件の発端は昨年6月でした。ある飲食店経営を手掛けている女性がTwitter上に自分の実名と住所、さらにインターネット上で拾ったとみられる自身の顔写真が掲載された、なりすましアカウントを発見します。
しかもその自分のなりすましアカウントは、実在する元AV女優と自身が同一人物だというような虚偽の情報が載っており、またその同一人物とされた元AV女優の過去の出演作の画像が11回も投稿されるなどしました。
この悪質ななりすましアカウントに対し、人格権侵害にあたるとして女性は同年9月にツイッター社を相手取り裁判所にアカウントの削除を求める仮処分を申請しました。
この申請に対してツイッター社は「アカウント自体の削除は、将来の違法ではない表現行為まで不可能になる行為だから容認できない」として反論しましたが、裁判所はこの女性の人格権の侵害という言い分を認め、同年10月にツイッター社に対してアカウント自体の削除を命じる仮処分を決定しました。

この決定を受けてツイッター社は異議を申し立てましたが、その審議中になりすましアカウントが自らカウントの削除を行った為、ツイッター社は異議を取り下げ、事件は終結しました。
今までも、違法性のある投稿の削除命令はありましたが、今回アカウント自体の削除命令がされたことは、なりすまし被害の救済という点で画期的な判断だったといえます。

悪質な投稿の削除申請

このようにTwitterは便利な反面、いつどこで自分や自社がなりすまし被害にあったり、誹謗中傷や名誉棄損などの違法な投稿の標的になるか分かりません。
もし、悪質な投稿をされた場合の削除申請についてどのようにするべきか?について考えてみたいと思います。

方法としては大きく2つあります。
一つは運営会社であるツイッター社に直接、削除依頼を行う方法です。
ツイッター社はTwitterでの投稿内容について利用規約を決めているので、それに反するものであれば投稿の削除や、悪質な場合はアカウント凍結といった措置を行います。
削除依頼の対応窓口はツイッター社の日本法人ではなく、アメリカにある本社となります。依頼するにあたり該当の投稿が「誰のどのような権利を侵害しているか」ということを具体的に報告する必要があり、どのような対応を取るかはツイッター社本社の判断によります。

もう一つの方法としては、裁判所に仮処分命令申請をする方法です。
冒頭のなりすまし被害でも被害にあっていた女性が行ったのはこの方法です。
違法性が認められれば、裁判所命令で投稿の削除や今回のように悪質な場合はアカウント削除の決定がされます。

このように方法はありますが、実際に行うとなると専門的な法知識も必要になり、個人で行うのは難しく、手続きに時間がかかっている間にも悪質な投稿が拡散されかねません。
その為、専門家である弁護士に依頼するのがよいでしょう。
Twitterの情報は、たった一日で日本中、いや世界中に広まってしまうところが便利でもあり、逆に恐ろしいところでもあります。
自分や自社に対して悪質な投稿がされた場合に、どのような対応をしたらいいか、などと考えている間にも情報は拡散していきます。何もない今だからこそ、もしもに備えた対応方法を検討しておくことが大切です。

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