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広報の目
          
風間眞一広報リスクマネジメント
広報アドバイザー 風間 眞一  

第2回  広報力の強化につながるCSR活動

(本連載は、『フジサンケイ広報フォーラム』会報No.314~に掲載された記事を転載したものです。)

 経済広報センターが1983年から毎年夏に実施している「教員の民間企業研修」が今年も全国各地で開催されている。
 
 2013年度は7月22日から8月23日まで。1,000名を超える小・中・高校などの先生が夏休みを利用して参加。受け入れ企業・団体も105社がエントリー、最長3日間の日程で行われている。
研修の中身はさまざま工夫され、講義に止まらず現場に飛び出し、営業店や工場・研究所、資料館などの見学に加え、業務の模擬体験や実習体験他多岐に亘る。
昨年の例だが、トヨタ自動車では創業の精神に触れたり、車両生産現場の見学などを通して人材育成やモノづくりの考え方を学習。日本航空では航空機整備工場や運航乗務員訓練施設の見学などを通じて安全運航への取り組みを学んだ。

 また、イトーヨーカ堂では店舗に出て、挨拶や商品補充、売場整理、接客など販売実習に汗を流した。西日本旅客鉄道を訪れた教員は総合指令所の見学の他、新大阪から岡山まで新幹線の車掌業務や岡山駅での改札、案内業務などをこなした。

三菱UFJニコスも1999年から参画。夏恒例のCSR(企業の社会的責任)活動として定着した。クレジットカードの使い方や注意点について、先生から子どもたちに少しでも伝わって欲しいと願う。
折しも、昨年12月に「消費者教育推進法」が施行され、事業者及び事業者団体に対しても消費者教育の推進に努めるよう要請。「教育界とビジネス界とのコミュニケーションの促進」を謳う当教員研修はその意味でも一層の発展が望まれる。


企業での体験を、授業などを通して子どもたちに伝え、また今後の学校運営などにも活かしてもらうことは次代を担う若い世代の育成に大いに役立つ訳で学校教員との連携は益々重要になってくる。
ここは経営機能を担う企業広報としても、情報の受発信や危機管理力の強化と合わせ、企業の使命や事業活動について教育界に広く知ってもらう努力は社会貢献の立場からも不可欠。広報力アップにつながるCSR活動の強化に期待したい。

 

 



執筆者:風間 眞一(かざま しんいち)
 広報アドバイザー 1973年日本信販(現三菱UFJニコス)入社。 広報部長などを経て2009年退社。広報業務に18年携わる。07年 経済広報センター第23回企業広報功労・奨励賞受賞。