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第29回ラジオ体操はやるだけ運動能力が下がる3?

武道からみる青少年の成長リスクマネジメント

杉原 政則氏

「ラジオ体操はやるだけ運動能力が下がる?」3回目です。
今NHKでは「テレビ体操」といっています。
実際に体操をしている出演者は元体操選手や現役の新体操選手であったりします。
果たして彼女たちは日頃準備運動として「ラジオ体操」を活用しているのでしょうか?
「イチロー選手」や「室伏元選手」など身体能力の優れた人が推奨する運動に、おそらく「ラジオ体操」の項目は一つもないと思います。

特に学校の体育の授業などで何度も行えば、基本動作に「ラジオ体操」的な動きが癖としてついてしまうことがマイナスとなります。

では「ラジオ体操」のどこが、運動として問題なのでしょっか?
第一回と第二回で
①体幹動作ではなく手足動作を意識させている
②シンメトリー動作
の問題を指摘しました。
今回は最後で
③動作そのものを指導せず動かし方しか言わないので、個々人で間違った動作をしている
です。
たくさんあるのですが代表的な例を挙げてみましょう。

体側運動は重心位置が逆

下のイラストは「ラジオ体操」の体側運動の一つです。
どこがまちがっているかわかりますか?

子供が右足重心で左手を上げています。
すると当然ですが左腰が上がります。
これが問題です。
左腰が上がれば脇腹は実は伸びていません。従って実はほとんど何の運動にもなっていません。

ところがここに深奥な問題があります。
手を上げるときに同じ側の腰を上げる癖です。
上体が動くとき、下半身は沈まなければなりません。
スピードを出したら浮き上がってしまう車がだめなのと同じです。
手を上げるときに同じ側の腰を上げる癖はやっかいで「腰痛」の元です。

ですから、左足重心で左手を上げるべきなのです。
ある有名なパンマイムの方も指摘されていました。

Googleで「体側運動」で画像検索してください。
ひどいことに上記のような画像はあっても、正しい動作の写真やイラストがほとんどありません。

いったん読むのをやめて、高いところにあるものを右手でとろうとして手を上げてみてください。
右腰がつられて上がってくる方は「腰痛」に注意警報です。
腰が安定し足の裏にきれいに重心が乗るからこそ、安定しむしろ手を伸ばせます。
腰を上げてしまえば不安定になり、重いものを棚から下ろそうものなら腰への負担は甚大です。
頭痛・肩こり・腰痛・膝痛など関節周りに痛みを発しやすい方は、まず日常動作を学ぶことを推奨します。

本来の自然な動作を学ぶ

体側という一つの例を書きました。
そのほかにも、「屈伸」や「顔を上下左右の動かす」動きなど、おかしな動作が目白押しです。
ニーズが高ければ細かく書くかもしれません。
かくゆう私も「ラジオ体操」を子供時代限りなくやっていましたから、その癖を修正することは容易ではありませんでした。
動作のあらゆるところに、いわゆる「ラジオ体操」動作がこびりついてしまいます。

未来ある子供も、健やかな健康を願う大人も、本来の自然な動作に学び目覚めたいものです。

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