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  1. 武道/青少年の成長RM 杉原政則
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第33回運動雑学-繰り返し練習は意味がない?

武道からみる青少年の成長リスクマネジメント

杉原 政則氏

普通、練習といえば同じ事を繰り返すと思われています。
シリーズでも書きましたが「ラジオ体操」もその典型で、毎日毎日同じ動作をすることを推奨されます。
人は同じ動作を繰り返す事で、特定の部位を特定の方向性と力でしか動かしませんから身体は硬直します。

よく道場でためすのですが、立っている人を横から押して立ち姿の力強さを確認する遊びです。
「ラジオ体操」をした後、ないしは「ラジオ体操」のどれか一つの動作をした後では軽々押せてしまいす。
PC作業をした後、身体がこるのは「同じ動作」を繰り返したからです。
「同じ動作」を繰り返えす事で、身体が固まることを経験しているのに、なぜかスポーツでは「同じ動作」を繰り返す事が練習と信じている人が多いようです。

「同じ動作」を繰り返すと怪我の温床になる。

当然、繰り返し練習をすれば身体は、本人の意図とは別に身体は硬直しますから、パフォーマンスが落ちるとともに怪我をしやすくなります。
特に成長期の子供にとって、大人以上に特定動作の繰り返しは怪我の温床になります。
特定競技の特定の運動は成長にとってマイナスです。
TVなどでは、たまたま優勝した人のみが映りますので勘違いしやすいですが、怪我などで諦めた人の方が遙かに多いです。

自然界に繰り返しはありません。
全て「一期一会」「諸行無常」です。
人も自然の一部なら繰り返しは向いていません。

かつて村山富市内閣の時代に「阪神淡路大震災」が発生しました。災害救助要請など対応が遅く迅速に対応していれば死亡者はもっと少なく済んだともいわれています。
その後、初動対応を批判された村山富市内閣総理大臣は、
「なにぶん初めてのことでございますし 、早朝のことでもございますから・・」
と弁明したことは有名です。

型・パターン・マニュアル・メソッドなど同じ事の反復練習メインでした人は「経験したことがない」ことには対応出来ないということの典型です。

私も実は被災者の一人なのですが・・・・ある意味、自分に正直な発言ですね。(怒り・・いやいや武道家は冷静でないと(焦り))

本来に人間らしさは「一期一会」ですから日々「経験したことがない」ことへの対応です。
鈍ければ「今日も昨日と同じ朝が来た」ですが、感性が優れていれば「新しい朝が来た」です。
スポーツもパターン人間(過去追従型)を要請するのではなく、自律的でかつ協調性のある未来志向の人間を育成すべきです。

スポーツによる怪我や死亡事故が後を絶ちません。

怪我も下半身不随など重度のものも少なくありません。
健康でいたければスポーツ競技(運動ではない)をしない方が確立は高いかもしれません。
体育でも「跳び箱」は危険な運動です。

2015年度には跳び箱による事故は小学校だけで1万4887件起きています。そのうち骨折や靭帯損傷を伴う大きな事故は6117件で、事故全体の41.1%にも及ンでいます。(日本スポーツ振興センター(JSC)の調査)

未だ対策がとられていないのはお粗末です。一旦停止すべきと思います。
スカイダイビングやアメフト、ボクシングなどが危険であることは想像しやすいです。
子供の行うスポーツでも「自転車競技」「ボクシング」「ラグビー」「柔道」「器械体操」「水泳」「ハンドボール」「剣道」「野球」「サッカー」でも亡・重度の障害事故発生しています。
(文部科学省:10万人あたりの死亡・重度の障害事故発生件数順)
軽度の怪我の話ではありません。

健康や心の成長のために実施されるべき、青少年のスポーツや体育で生涯を左右する事故・怪我が起きている事実は看過できません。
金メダルや優勝する事が青少年の目的ではないはずです。
金メダルや優勝する事、要は人よりも成績で優れて、優位感や栄誉、金銭を目指すことが精神的向上をすることではないはずです。
ましてや健康どころか、重度の障害や死亡事故が起きているのでは話になりません。

人が動いているわけですから事故が0にはならないと思いますが、多すぎます。

1975年から2017年の間、クラブ活動中に熱中症で死亡したのは146人。37人が野球部の活動中で最も多く、全体の約25%。次いでラグビー部17人、柔道部16人、サッカー部14人、剣道部11人、山岳部9人などだった。(日本スポーツ振興センター(JSC)の調査)

配慮すれば防げるはずのね熱中症ですらこの数値です。

スポーツ庁創設の経緯(スポーツ基本法(平成23年)の制定)には
スポーツを通じて「国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む」ことができる社会の実現を目指す
・全ての国民のスポーツ機会の確保
・健康長寿社会の実現
・スポーツを通じた地域活性化,経済活性化
と記されています。

しかし、そのすぐ下には
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等の日本開催で
開催国として,政府一丸となった準備が必要
・国際公約としてのスポーツによる国際貢献の実施
・国民全体へのオリンピズムの普及
・開催国としての我が国の競技力の向上
・健常者・障害者のスポーツの一体的な推進
http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/soshiki2/1373916.htm(スポーツ庁WEBサイト)

と記されています。
早く、健康的な運動と競技としてのスポーツは別物であり、相容れないものであることに気づいてていただきたいものです。

著者:杉原政則氏

極真空手3段
極真空手グループ事務局長
極真空手東京本部長
その他多数の武道経験を持つ
https://budo.tokyo/
http://karate-tezuka.net/
詳しいプロフィールはこちら

 

 

 

 

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