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  1. 産業法務の視点から 平川博
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第66回 世界中で医療崩壊

1.はじめに
今年の1月から中国で爆発的に流行し始めた新型コロナウィルス感染症は、3ヵ月も経たない内に世界中(特に欧米諸国)に蔓延し、幾何級数的に患者数と死者数が増えています。
患者数が少ない内は病院で隔離して感染を防止することができますが、増えるに連れて隔離病棟や個室に空きがなくなると、トリアージ(重症度や緊急度などにより、治療や搬送の優先順位を決めること)が行われるようになります。
また、医師や看護師等の医療従事者の手が足りなくなるうえ、自ら感染して患者になる危険性が高まります。
更に、病院でクラスター(集団感染)が起きて、感染を広げる事態も発生しています。

2.国内
(1)満床
①医療機関の病床不足 軽症患者はホテルを滞在施設に 埼玉県
【NHK NEWS WEB[2020年4月13日18時40分配信]】
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埼玉県内では、12日までに415人の感染者が発表されていますが、医療機関のベッドの確保が追いつかず、自宅待機となっている人が12日夜現在、183人に上っています。このため県は、軽症の患者については、さいたま市内のホテルを一時的な滞在施設にする方針です。
県は、感染が確認された人は、県内に150床ある一般病床でも受け入れるとしていましたが、防護服や研修など準備が整っていないため、受け入れたのは今のところ、予定の半数足らずの71床にとどまっているということです。

このため県は、さいたま市大宮区のおよそ220部屋ある「アパホテルさいたま新都心駅北」を借り上げ、15日以降、患者を移送するということです。
特に重症化しやすい高齢者などと同居する、軽症の患者などを優先するということです。
県保健医療部は「入院を待っている人が増えているため、ホテルを確保した。病床数を確保するために引き続き努力したい」としています。
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(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200413/k10012384461000.html)

②新型肺炎 9都府県が病床ひっ迫
【NHK NEWS WEB[2020年4月14日17時32分配信]】
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NHKでは全国の放送局を通じて、13日、新型コロナウイルスに対応する病床や入院患者数などについて都道府県などに取材しました。
それによりますと、新型コロナウイルスの患者が入院するために確保している病床の数は、全国あわせて9600床余りで、現在の入院患者は、少なくともおよそ5000人に上りました。

都道府県別に、確保できていると公表している病床数に対し、入院患者数が8割を超えているのは9つの都府県で、▼東京都と▼大阪府、▼兵庫県、▼福岡県の緊急事態宣言が出されている地域のほか、▼山梨県と▼滋賀県、▼京都府、▼高知県、▼沖縄県でも8割を超え、各地で病床の確保が課題になっていることが分かりました。

また、重症患者の治療を優先するため、軽症の患者には、宿泊施設や自宅などで療養してもらう対応を、すでにとっているのは8つの都府県でした。
そして、宿泊施設や自宅で療養や待機をしている人は、病床が確保できていない人たちも含めて、16の都府県であわせて少なくとも900人を超えていました。
このうち、緊急事態宣言が出されている、▼埼玉県、▼千葉県、▼神奈川県では、自宅などで療養や待機をしている人が、それぞれ100人を超えています。
さらに、医療態勢について、懸念されることを聞いたところ、▼医療用マスクなど感染を防ぐための物資の確保や、▼宿泊施設に軽症者を移すための医療スタッフなどの不足、それに、▼大病院に患者が集中することや、▼院内感染などを挙げています。
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(https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200414/2000028228.html)

(2)院内感染
①神戸市の拠点病院で院内感染相次ぐ 救急医療体制に危機感
【NHK NEWS WEB[2020年4月14日17時41分配信]】
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神戸市では感染症指定医療機関として、新型コロナウイルスの感染者の治療拠点となっている、神戸市立医療センター中央市民病院や一部の感染者を受け入れている神戸赤十字病院で、医師や看護師など病院スタッフが感染する院内感染が相次いで起きました。
中央市民病院では、今後も重症の感染者については受け入れて治療を行いますが、いずれの病院も新たな外来診療や入院患者のほか、救急患者の受け入れを原則、取りやめています。

これら2つの病院は神戸市の中核病院として救急医療を担っていて、なかでも中央市民病院は命に関わる重症患者に対応する「3次救急」を担う、「救急医療の最後のとりで」とされています。
神戸市では今後、当分の間「3次救急」については、中央市民病院に代わって、兵庫県災害医療センターと神戸大学医学部付属病院が対応することになっています。
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(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200414/k10012386621000.html)

②新型コロナ、相次ぐ院内感染 地域医療に影響も―完全な対策難しく
【時事ドットコム[2020年04月16日07時04分配信]】
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新型コロナウイルスの感染が病院などで広がる事例が相次いでいる。地域医療の中核となる病院も多く、同ウイルス以外の病気の治療にも影響が及んでいる。
東京都台東区の「永寿総合病院」では、3月20日ごろから患者や看護師に発熱などの症状が出始め、その後新型コロナウイルスの陽性反応が確認された。都によると、14日時点で患者や職員ら187人が感染し、少なくとも24人が死亡。外来診療を休止した。同病院から転院した患者を通じ、慶応大病院にも感染が広がった。
台東区によると、永寿総合病院は区内最大の病床数がある地域医療の中核。「高度な検査の実施先として診療所からよく紹介される病院で、影響が出ている」(区幹部)という。区は早期の体制回復に向けて医療関係者らと協議会を設置し、支援策の検討を進める。
中野江古田病院(中野区)でも、患者や医師らの集団感染が判明。ほかに、福井市や神戸市、福岡市などでも院内感染が疑われる事例が起きている。
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(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020041500658&g=soc)

(3)医療資材不足
①PCR検査拒否111件 道内調査 医療資材の不足深刻
【北海道新聞 電子版[2020/04/15 05:00配信]】
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新型コロナウイルスの感染拡大に関して、道内の医師らでつくる北海道保険医会は14日、会員の医師が新型ウイルスの感染を疑い、PCR検査を求めたものの、保健所などに拒否された事例が道内で111例あったとする調査結果を公表した。マスクの補充予定がないと答えた医師も180人を超え、依然として深刻な医療資材不足も浮かぶ。…(中略)…

感染が疑われる事例で、検査の必要性を指摘したにもかかわらず、保健所や感染症指定医療機関などから拒否されたことがあると答えた医師は62人だった。このうち、27人はエックス線検査などで患者が肺炎を発症していたか、発症が疑われる症状があったと回答。中には、5回以上拒否されたと答えた医師もいた。
111例の検査拒否の理由を複数回答で尋ねたところ「感染者や渡航歴がある人などとの濃厚接触がない」が40.3%で最も多く、「渡航歴などがない」(33.9%)、「集中治療の必要がない」(29.0%)と続いた。

医療用マスクについては「足りていない」と答えた医師が204人に上った。さらに、185人はマスクの補充予定がないと回答。4月中に補充できると答えた医師は9人だった。アルコールなどの消毒薬については、調査対象者の約6割にあたる166人が「足りていない」と回答した。
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(https://www.hokkaido-np.co.jp/article/412406)

②物資不足に差別まで 疲弊する医療従事者をどう守るか
【朝日新聞デジタル[2020年4月12日6時00分配信]】
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安倍晋三首相が緊急事態宣言を出した7日、国内最大規模の医療従事者の産業別労組「日本医療労働組合連合会」(日本医労連、組織人数17万7千人)が会見した。
「今、この時点でも現場では職員が懸命にコロナウイルスと向き合って働いている」。日本医労連の森田しのぶ中央執行委員長は医療従事者への支援を訴えた。
看護師や介護職員らでつくる日本医労連が傘下労組を通じて調べたところ、厳しい実態が浮かび上がっている。医療や介護の現場では慢性的な人手不足がさらに悪化。マスクなど資材の不足に加え、医療従事者への差別も見られるという。
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(https://www.asahi.com/articles/ASN4B6QG7N43ULFA02V.html)

③マスク・消毒液不足、8割が懸念 診療所・病院調査
【CHUNICHI Web[2020年4月1日配信]】
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新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、県保険医協会が加盟する診療所・病院を対象にマスクが十分に備わっているかどうかを尋ねる調査を実施し、8割超がマスク不足に懸念を示したことが明らかになった。協会は「一般診療にも影響が出かねない事態だ」と警戒を強め、県に支援を求めている。…(中略)…

自由記述では「マスクや消毒液の不足でスタッフの感染防止が不十分になる」「内視鏡洗浄のアルコールが手に入らない」といった意見があり、患者の現状については「院内感染への不安が強く、受診控えが多い」「診察予約のキャンセルで継続診療が中断してしまう」との声が寄せられた。
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(https://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20200401/CK2020040102000020.html)

④「病院倒産や医療崩壊が起きかねない」 沖縄協同病院、新型コロナで1億2228万円減収 4月前年比
【沖縄タイムス+プラス[2020年5月23日09:00配信]】
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新型コロナウイルス感染患者を受け入れる協力医療機関の沖縄協同病院(那覇市、病床280床)の4月の事業収益が、前年同期比で1億2228万円(17.6%)減少したことが分かった。2009年の移転・新築以降、前年同期比の減収幅が1億円を超えたことはない。県内の医療機関が、新型コロナの影響で経営悪化した業績を明示したのは初めて。

感染発生に備えた空床確保や感染警戒による受診控え、感染対策の備品購入が主な理由。病院側は「現状が長引けば資金ショートの恐れがあり、病院倒産や医療崩壊が起きかねない」とし、国や県に財政支援を求めた。
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(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/575068)

3.海外
(1)アメリカ
①死者が平時の2倍突破「NY医療崩壊」のリアル
【東洋経済ONLINE/The New York Times[2020/04/16 5:30配信]】
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ニューヨーク市の死者数は4月4日までの31日間で、例年の2倍を突破した。これは同市全体の死者数で、ここには新型コロナウイルスが直接の死因となったもののほか、心臓発作やがんなどほかの死因によるものも含まれる。…(中略)…

全体の死者数が増加した理由としては、病院が過密状態となり、救急システムに過大な負荷がかかっていることに加え、人々の不安が高まったことが考えられる。通常の状況なら命を取り留めていたかもしれない心臓発作や脳卒中、その他の疾患による死者が増加した可能性があるということだ。…(中略)…
最近の死者数は実際よりも少なくカウントされているとみて、ほぼ間違いない。平時でさえ死亡証明書の処理・回収には時間がかかり、完全な死者数が確定するまで何週間も要する。新型コロナが関係しているケースとなれば、なおさらだ。…(中略)…

つまり実際の数字はこれよりも高くなる可能性があるが、現時点の統計に従えば、ニューヨーク市では4月4日までの1カ月間に約9780人が死亡したことになる。例年より5000人も多い数字だ。

うち3月下旬以降の2週間は、さらに厳しい数字になっている。この間の死亡者は約7000人と、通常この時期に想定される死者数の3倍を超えた。
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(https://toyokeizai.net/articles/-/344432)

②【緊急寄稿 米ミシガン発現地レポート】新型コロナ パンデミック 病院やヘルスケア施設で医療用品、圧倒的に不足
森永知美(米国在住 ヘルスケアビジネスコンサルタント)
【ミクスOnline[2020/03/25 04:51公開]】
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◎州知事「推定で人口の70%が感染、うち100万人が入院」医療体制が崩壊する!
州知事のグレッチェン・ウィットマー氏は今日の記者会見で、このままの状態でいけば推定で人口の70%(700万人)が感染し、そのうち100万人が入院することになるが、救急用ベッドはミシガン全体で2万5千床しかなく、事態を深刻に受け止め迅速に大々的な対策を取らなければならないと警告した。
感染拡大が深刻な州はいずれも、ウイルス検査をはじめ、医療用マスクや手袋、人工呼吸器などの医療用品が圧倒的に不足しており、連邦政府からの支援が必要になっている。同氏は一例として、National Strategic Stockpile(公衆衛生の緊急事態に州や市などの要請に対して医療用品を供給する連邦政府組織)から、先週ある医療施設が受け取ったマスクや手袋、ガウンなどの医療用品が、1回のシフト分でしかなかったと窮状を訴えた。

◎州同士で医療用品の取り合いも
ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏は、「もはや州同士で医療用品の取り合いになっている」とコメントしている。
ドライブスルーの検査場をはじめ、ウイルス検査のシステム拡大が進められているが、検査を受けられるのは咳や発熱などの症状を呈する患者だけである。会見に同席したミシガン州保健社会福祉局Chief Medical ExecutiveのDr. Joneigh Khaldunによると、現在の検査状況は一日あたり約1000例であり、検査キットと検査体制の確保が間に合っていないことを認めている。
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(https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=68972)
(2)欧州
①イタリア、北部立て直しに軍動員 医療崩壊、機器輸入交渉も
【CHUNICHI Web[2020年3月28日19時33分配信]】
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新型コロナウイルスに感染した死者が9千人を超えたイタリアでは28日、政府が軍ヘリコプターも動員して医療物資の運搬を開始、人工呼吸器やマスクの不足が深刻化する北部の「医療崩壊」立て直しに本格的に乗り出した。

政府の緊急対策責任者アルクーリ氏は27日の記者会見で、不足する医療機器を確保するため各国と交渉中だと明かした。フランスやドイツ、ロシア、中国からは既に機器を購入することが決まったとしている。
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(https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020032801002296.html)

②スペイン、介護施設で遺体放置も イタリアを上回る医療崩壊の苦境
【日経BP[2020年3月30日配信]】
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スペインの1日当たりの死亡者数は、累計死亡者数が世界最多となっているイタリアを上回る日が増えており、同国よりも状況が悪化する懸念が広がっている。スペインはイタリアより人口が少ないため、同国より深刻な医療崩壊が起きているとの指摘がある。…(中略)…経済協力開発機構(OECD)によると、1000人当たりの病床数はスペインは3床で、3.2床のイタリアより少ない。医療関連予算が削減され、医療従事者や医療用品の不足が深刻化している。マドリード市内の病院の医師は米ブルームバーグ通信に対し、「病院の待合室で入院する前に亡くなる感染者もいる。治療を優先する重症者の選別をしなければならない」と医療崩壊の惨状を語っている。…(中略)…

■総感染者数の14%が医療関係者
スペインにおいてイタリア以上に深刻な状況にあるのが、医療機関と介護施設での感染拡大だ。スペイン厚生省は24日、総感染者数の14%を医療関係者が占めると公表した。イタリアでは、その割合は8%程度といわれ、10%を超える国は珍しい。スペインでは医療関係者が感染を媒介しているとの指摘もある。
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(https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00122/033000011/)

(3)東洋
①中国 武漢 追跡調査で医療崩壊の深刻さ浮き彫りに 新型コロナ
【NHK NEWS WEB[2020年4月9日7時45分配信]】
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内陸部の湖北省武漢では、ことし1月以来続いてきた封鎖が8日解除されましたが、新型コロナウイルスの感染が急速に広がった1月下旬以降、SNS上では、家族が体の不調を訴えたにもかかわらず、適切な治療を受けられていないとして、助けを求める声が相次ぎました。

中国の研究者らのグループは、武漢やその周辺のこうした人たち2000人以上に電話などで接触し、病状やその後の経過について独自に追跡調査を行いました。その結果、少なくとも100人以上が死亡していたことが明らかになり、この中には、呼吸困難などの深刻な症状を訴えながらも、病院での治療やウイルス検査を受けられないまま、自宅で亡くなった人も含まれるとしています。…(中略)…

今回の調査は、新型コロナウイルスの感染拡大のなかで、武漢で起きていた医療崩壊の深刻さの一端を浮き彫りにするとともに、実際の死者数が政府の公式発表よりも多い可能性をうかがわせる内容となっています。
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(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200409/k10012376821000.html)

②内戦下イエメンで新型コロナ初確認 医療崩壊で爆発感染も
【時事ドットコムニュース[2020年04月10日18時16分配信]】
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内戦が続くイエメンで10日、新型コロナウイルスの感染者が初めて公式に確認された。イエメンでは紛争の長期化で医療インフラが壊滅的被害を受けており、検査体制の不備や医薬品・器材の不足が深刻化。世界保健機関(WHO)は、栄養失調で免疫機能が低下している市民も多いと指摘し、「感染が短期間で爆発的に拡大して多数が死亡する可能性が高い」と警告している。
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(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020041000937&g=int)

③トルコ、感染者1万人超 「医療崩壊」懸念も
【47EWS/共同通信[2020/3/31 11:44配信]】
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トルコ保健省は30日、新型コロナウイルスの感染者が1万827人、死者が168人となったと発表した。エルドアン大統領は演説で、医薬品や医療態勢に問題はないと強調し、国民に自主隔離を求めた。一方、イスタンブール医師会は医療崩壊を懸念する報告書を公表した。

検査態勢を強化したことも感染者が増えた一因とみられる。エルドアン氏は「欧米に比べ、トルコは感染拡大をうまく防いでいる」と訴えた。
これに対してイスタンブール医師会は、このペースで感染が進めば数日から数週間後に深刻なベッド不足が起きると指摘した。
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(https://www.47news.jp/4667072.html)

(4)南半球
①ブラジル、感染者数が世界4位に サンパウロは医療崩壊寸前
【BBC NEWS JAPAN[2020年05月18日配信]】
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ブラジル最大の都市サンパウロが、新型コロナウイルスの感染拡大で医療崩壊の危機に直面している。ブルーノ・コヴァス市長は、同市の公立病院の病床利用率が90%に達し、2週間以内に満床になると述べた。
サンパウロはブラジル国内でも特に新型ウイルスによる感染症「COVID-19」の患者の多い地域のひとつで、3000人近くが亡くなっている。

ブラジルの保健省は、16日に新たに7938人の感染が確認されたと発表した。人口約2億950万人のブラジルでは、これまでに24万1000人以上が感染しており、スペインやイタリアを超え、アメリカ、ロシア、イギリスに次ぐ世界4位となった。16日の死者数は485人。全体では世界で5番目に多い1万6118人となっている。
ただし、ブラジルでは検査が不足しているため、実際の感染者数はもっと高い可能性があると警告する専門家もいる。
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(https://www.bbc.com/japanese/52702967)
②アフリカでの新型コロナ感染、1年で19万人死亡の可能性 WHO
【CNN[2020.05.08 16:39配信]】
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世界保健機関(WHO)は7日、アフリカでの新型コロナウイルス感染拡大について、効果的な封じ込め策が講じられなければパンデミック(世界的な大流行)最初の年に最大4400万人が感染し、19万人が死亡する可能性があると警鐘を鳴らした。…(中略)…
3月に行われたアフリカの保健サービスに関する調査によれば、域内47カ国での集中治療室(ICU)の数は人口100万人当たり平均9床。
このままでは多くの病院で医療崩壊が起こるとみられており、WHOも状況を危惧するコメントを発している。
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(https://www.cnn.co.jp/world/35153461.htm)

4.結語
新型コロナウィルス対策の決め手はなく、国内でも海外でも試行錯誤を繰り返している内に、世界中に蔓延しています。特に患者と密着して治療や看護に従事する医療関係者が感染するリスクが高く、既に医療崩壊に陥っている国や地域があります。このような地球規模での人類の危機的状況を救うために、国際機関を中核としてあらゆる国や地域が連携して、医療に必要な物資の増産と供給に取り組み、医療従事者の安全衛生に万全を尽くすことを期待したいものです。

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