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第7回 CSR活動について

BCPにまつわる話

千葉 賢治氏

今回はCSR活動について考えてみたいと思います。
CSRは皆さんご存知ですよね?
CSR{corporate social responsibility}=企業の社会的責任です。
この言葉のイメージから企業のボランティア活動や寄付、コンプライアンス、環境保護に対する活動などで、大切なことではあるけれども本業とはあまり関係ないという理解でしょうか。
実際にはCSR活動はもっと企業活動と密接に関係していて、今後の経営活動に際して、この観点を忘れてはいけない。と思います。

では、災害時のCSR活動についてはどうでしょうか?
すでにBCPを策定済みの企業はどのような活動をするか決まっているかとおもいますが、

事例として、何社かの活動をご紹介します。(東洋経済オンライン)

大林組では、翌12日の昼には、ブルーシート1万枚、仮設トイレ300台など緊急支援物資の搬送を始めている。ゼネコン各社は、自社のホームページ上で活動を細かく報告しており、どのような活動を行ったか時系列的に確認できる。こうした情報開示の方法も業界ごとに差が出ており、透明性の高い建設業界は1つのモデルケースになると考える。

セブン&アイ・ホールディングスも対応が素早い。ミネラルウォーター3万本、菓子パン1000個など、翌12日には宮城県、岩手県の災害対策本部に毛布1万枚、パック入りご飯4800個など、給水車も1台派遣している。搬送経路も陸路とヘリコプターを使って届けることを宣言し、被災地への到着日程も注釈つきで開示している。物流機能を完備する同社の強みをいかんなく発揮している好事例だろう。

ソフトバンクは、12日に「ソフトバンクWi−Fiスポット」の無料開放に踏み切っている。ソフトバンクのユーザーでなくても、誰でもサービスエリア内は高速通信が可能となっている。翌13日は1週間の限定でメールを無料化する対策を発表している(同時に緊急以外の通話やメールを控えるように呼びかけ)。

企業の非常時対応スピードが早いということは、社内体制やガバナンスがしっかりしていることの証左である。トップマネジメントが迅速に判断を下す場があること、トップマネジメントとCSR部門など現場とのコミュニケーションパスが明確で、普段からコミュニケーションが取られていること、CSR部門、広報部門、お客さまセンター、人事部門など災害対策発表に関係する部門の横のコミュニケーションがよいことなどが必要である。

また、コミュニケーションがよくても、いざそうした状況になった際に適切な対応を発令できるマニュアルや仕組みがあることも必須だ。事業継続計画(BCP、Business Continuity Plan)といえば多くの企業が取り組んでいるはずだが、いざというときにスピードを決めるのは、形ではなく、トップが普段からCSRを意識して、その実現体制をきちんと取っているか、その部門と直接コミュニケーションをとっているかが重要と考えてよい。(東洋経済オンライン)より

ご紹介した事例は大手企業で、しかも自社は被災していない事例でした。被災地の真っ只中にあり自社も被災した中ではなかなかCSR活動まで考えられないかも知れませんが、あえて考えて頂きたい。そうすることで周辺地域と密接な関係が築けて、企業イメージの向上にもつながると考えます。是非平常時に、災害が起きたとき自社にどんなことが出来るかを考えてみて下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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