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第18回 災害時に重要な役割を担う2つの業種とは

BCPにまつわる話

千葉賢治氏

災害時に重要な役割を担う2つの業種とは?
皆さんはどの業種を思い浮かべるでしょうか。
私が思い浮かべたのは、

  • 医療機関
  • 建築業

この2つです。(賛否両論あるとは思いますが。)

まずは医療機関から。
災害時、中心となるのが「災害拠点病院」です。

「災害拠点病院」とは、「平成8年に当時の厚生省の発令によって定められた「災害時における初期救急医療 体制の充実強化を図るための医療機関」で、次のような機能を備えた病院です。

① 24時間いつでも災害に対する緊急対応でき、被災地域内の傷病者の受け入れ搬出が可能な体制を持つ。
② 実際に重症傷病者の受け入れ・搬送をヘリコプターなどを使用して行うことができる。
③ 消防機関(緊急消防援助隊)と連携した医療救護班の派遣体制がある。
④ ヘリコプターに同乗する医師を派遣できることに加え、これらをサポートする、十分な 医療設備や医療体制、情報収集システムと、ヘリポート、緊急車両、自己完結型で医療チームを派遣できる資器材を備えている。」
(国立病院機構 災害医療センター HPより)

以上の要件をそろえているのが「災害拠点病院」です。

話をもとに戻しますが、自治体、災害拠点病院、その他の医療機関が連携をとって災害時、医師や看護師、医療技術者をどのように配置するかを決めておく必要があります。そうすることで、数多くの患者に対応できるのではないでしょうか?
また、取り引きをしている製薬会社や医療機器メーカーとも支援協定を結んでおくことも重要です。
平時から、訓練やコミュニケーションをとることが、いざという時に大変役に立ちます。

次は、建築業についてですが、災害時、建物の倒壊の危険性を判断する建築士の方々です。「応急危険度判定士」

この「応急危険度判定士」は建築士の資格を持ち、判定士の養成を目的とした講習会を修了していること、などがその資格要件としてあげられます。

被災した直後に被災地の家屋などが安全かどうかを判定(=建物応急危険度判定)するための判定士のことです。
地震などの災害が発生した後の家屋に住んでいて、その家屋がしばらくしてから余震などで倒壊することもあり得ます。その際に家の中に住民が住んでいたら、二次災害が発生してしまいます。
このような二次災害を防ぐためにも、災害が発生してから迅速に家屋の被害状況を調査して建物応急危険度判定を行うことが重要になってきます。

災害発生直後には、自社が手掛けている建築途中の建物を含め多くの建築物を判定しなければいけません。
そういったとき、慌てないよう建築業の方々も連絡を取り合い判定する地域を、あらかじめ決めておく必要があります。
迅速に対応することで、2次災害を防ぐことができると思います。
二つの業種とも大変だとは思いますが、平時からもしものときのために備えていただきたいです。

もちろんほかの業種のかたもそれぞれ重要な役割があります。
自治体を中心に地域の皆さんが協力して災害に備えていただきたいと思います。

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